技術的から見ても、日本にとって自国を狙う北朝鮮のミサイル情報は多いに越したことはありません。普通に考えれば発射地点の情報は発射地点に近い韓国が、着弾地点の情報は着弾地点に近い日本がより精度の高い情報を持っているわけですから、お互いに情報を共有することはプラスにこそなれマイナスになるはずがありません。

 ですから、日韓GSOMIA破棄は日本の国益にとってはマイナスであると言えますが、それは韓国がまともな国で、国と国との約束を守るという前提の話です。果たして韓国が国と国との約束を守るまともな国であるかというと、「日韓基本条約」「日韓漁業協定」「いわゆる慰安婦合意」等々の経緯を見れば、彼の国が日本との約束をまともに守る国だとは誰も言えないでしょう。

 国と国との約束だけではなく、イラクで銃弾を供与したときもいろいろと理由をつけて感謝もせず、自衛隊員との記念写真の後ろで竹島のプロパガンダプラカードのようなものを掲げてみたり、昨年の旭日旗掲揚禁止の申し入れや、海上自衛隊の哨戒機に対する火器管制レーダー照射事件など、現場の軍隊においてさえも共に戦うに足る国とはとても思えません。

 もっと言えば、本来の主敵である北朝鮮に対するため、陸軍が中心となった防衛政策をとるべきであるにもかかわらず、海軍を増強し、艦船名に「独島」や「安重根」などとわが国に対する挑戦的な名称を付し、日本の領土である竹島周辺において軍事演習を行うなど、わが国を仮想敵国とする態度を見るにつけ、韓国は既に友好国ではないと考えるのが妥当だと思います。

 現場で実際に戦う者の身となって考えれば、友軍に裏切られればかなりの確率で壊滅的な打撃を受けるので「関ケ原の戦い」で東軍に寝返ったとされる小早川秀秋のような奴は最初から敵として扱うほうが無難だということです。わが国は昭和20年に日ソ中立条約を結んでいた当時のソ連に停戦の仲介役を頼んだ結果、見事に裏切られ一方的な条約破棄の後に行われた侵略により、国土や国民の生命を奪われたという教訓を忘れてはいけません。

 条約や協定というものは約束を守る相手と締結してこそ価値があるものであり、約束を守らない国と約束をしても意味がないということです。特にわが国は相手に約束を守らせる力(軍事力)がなく、力ずくで相手国に約束を守らせることができませんので、条約や協定を結ぶ相手は慎重に選ばなければなりません。

 さらに、韓国から得る情報が正しいものであるという保証はなく、逆にわが国の情報が中朝に漏れるという懸念もあります。実際に米国は例年行ってきた米韓軍事演習を実際の演習から机上演習に切り替えたのは経済的な問題だけではなく韓国から北朝鮮に自国の情報が漏れることを恐れたからだという説もあります。

 今回の騒動の真相は結局のところ、さすがの韓国も本気の米国には逆らえなかったということなのでしょうが、韓国は「日本が譲歩したから、破棄を一時停止した」と言い張っています。

 あくまでも自身の非を認めない姿勢には逆にあっぱれとも言いたくなりますが、日本はここで少しの隙(すき)をも見せてはいけません。ましてや、今回の件が「日本の完全勝利だ」などと浮かれていては足元をすくわれかねません。

 あくまで今回の件は韓国が意味なく勝手に拳を振り上げ、米国に脅されやむなく拳を静かに下ろしたというものですから、わが国が勝ったとか負けたとかいう問題ではなく、大騒ぎする必要はありません。

 ただし韓国の宣伝工作には気を付け、彼らが嘘を世界に発する度に、それを否定していかなければ「いわゆる従軍慰安婦の問題」のように彼らの嘘が世界に広まってしまいかねません。「対華21カ条要求」で袁世凱中華民国初代大統領にだまされた教訓を生かすべきです。
韓国・ソウルで「GSOMIA延長を糾弾する」と抗議する人々=2019年11月22日(共同)
韓国・ソウルで「GSOMIA延長を糾弾する」と抗議する人々=2019年11月22日(共同)
 また、これを機に「日本も韓国に歩み寄れ」などという人がいますが、とんでもない話で、わが国は一点の非もないのですから1ミリも譲る必要はありません。今回の騒動を見ても分かるように、毅然とした態度をとれば、相手は為す術はないのです。

 今後、私が懸念するのは韓国がさまざまな方法で日本に対して嫌がらせをしてきているのに対して、わが国はホワイト国からの除外という一手しか打てていないにもかかわらず、これだけ大騒ぎして、どっちもどっちという雰囲気になれば、日本が次の一手を打ちにくくなることです。