今でさえ「自称徴用工問題」に関して日本企業の財産が差し押さえられているにもかかわらず、日本側は「日本企業に実質的な被害が出たら報復する」などと、差し押さえという実質的な被害が出ているにもかかわらず、まるで被害がないかのように問題を矮小化して彼らが差し押さえた財産を現金化するまで何もしないかのような態度で、唯一の立法機関である国会は報復措置のために必要な根拠法令の検討も行わず、花見の話に終始しています。

 これでは韓国になめられても仕方がありません。今わが国がやるべきことは「自称徴用工問題」などの韓国の嫌がらせに対する報復ではなく、わが国が持つ当然の権利を韓国に対して主張することです。

 具体的な項目は下記に列記しますが、いずれも極当たり前のことで、それを今まで行ってこなかったことの方が問題です。

◎竹島返還
◎「李承晩ライン」に関する犠牲者への謝罪と賠償
◎日韓基本条約やウィーン条約などの条約遵守
◎いわゆる慰安婦像撤去
◎いわゆる慰安婦合意遵守
◎知的財産権の保護や著作権法遵守
◎反日教育の撤廃
◎近隣諸国条項撤廃
◎債務の返還
◎窃盗品返還
◎捏造歴史の拡散中止
◎日本に対する内政干渉の禁止
◎火器管制レーダー照射、天皇侮辱発言、軍艦旗侮辱に対しての謝罪
◎日本から韓国への水産物禁輸解除
◎輸出管理厳格化


 どうせ彼らは日本の要求に応えることはないでしょうが、ここで大切なのは世界に向けて日本の正当性と彼らの弁明を発信することです。それとは別に国会は韓国が行った差し押さえに対抗するための根拠法令の審議に入り「備えあれば憂いなし」の法制化を急ぐべきです。

 今まで日本から韓国に対して何らアクションを起こさなかったから一方的にやられてきたのです。「攻撃は最大の防御」わが国には捏造(ねつぞう)しなくても攻撃材料はたくさんあるのですから、遠慮なくどんどんと正当な要求を突き付けていくべきです。

 また、気を付けなければならないのは彼らの譲歩です。彼らは形勢が不利と見るや最小限譲歩し、最大限の利益を得ようとします。人の良い日本人は騙されやすいので、相手が譲歩した途端、こちらも譲歩しなければならないと考え、相手より大きく譲歩してしまいがちですが、よくよく考えてみてください。今回の件も「自称徴用工問題」にしても、彼らが勝手に言い掛かりをつけてきたようなもので、それを撤回したからと言って日本が何かをしなければいけないものではありません。

 近隣トラブルに例えると、隣地との境界線で揉めているときに隣家が突然騒音をまき散らし始めた挙げ句、「それを止めるから自分に有利な境界線を認めろ」と言うようなもので、無茶苦茶な話なのです。

 ですから今後、GSOMIAや「自称徴用工問題」が少しでも好転したとたんに「韓国に歩み寄るべきだ」というような風潮をマスコミが煽(あお)り、それに政府が迎合して譲歩してしまうことは絶対に避けねばなりません。わが国が目指すべきは、その場しのぎの安易な解決方法ではなく問題の根本的な解決で、ひいては真の日韓友好です。

 今回の問題もそうですが、韓国の日本に対する外交姿勢の特徴として、存在しないものを捏造して問題化し、本来の問題から目をそらそうとする傾向があります。レーダー照射事件のときも、火器管制レーダーの照射という問題から低空飛行という存在しない問題に話をすり替え、有耶無耶(うやむや)にしてしまいました。

 そんな彼らにもうだまされてはいけません。日韓関係の最大の問題は捏造された「いわゆる従軍慰安婦」や「自称徴用工」ではなく竹島です。政府には、その大原則を念頭に置いて対韓外交を行っていただきたいものです。

 日韓GSOMIA破棄は回避されましたが、韓国では従北勢力と親米勢力が対決し、内戦状態になっているだけでなく、文大統領により韓国軍が北朝鮮軍に対して一種の武装解除状態になっています。そのため朝鮮半島のパワーバランスは大きく崩れつつあり、いつ紛争が起きてもおかしくない状態です。
韓国の鄭景斗国防相(右端)と会談する河野太郎防衛相(左端)=2019年11月17日、タイ・バンコク(共同)
韓国の鄭景斗国防相(右端)と会談する河野太郎防衛相(左端)=2019年11月17日、タイ・バンコク(共同)
 また香港や台湾の情勢に鑑みると中共(中国共産党)が危険な行動に出る可能性もあります。いずれにしても米軍が朝鮮半島から撤退する方向にあり、38度線が対馬海峡まで下りてきつつあるという現状を踏まえると、わが国は一刻も早く憲法改正を行い、自国を自国の力で守ることができる普通の国にならねばなりません。あわせて朝鮮半島有事に備え、拉致被害者の奪還、現地邦人の保護、難民対策等々、喫緊の課題が山積です。いずれの問題も忘れてはならないのが朝鮮半島の背後に控える中共の存在で、目の前の韓国にだけ気を取られ、真の敵を見誤ってはなりません。(文中一部敬称略)