2019年11月29日 11:49 公開

ドナルド・トランプ米大統領は28日、予告なしにアフガニスタンの米軍基地を訪れ、アメリカは反政府武装勢力タリバンとの和平協議を進めていると明らかにした。

首都カブールのバグラム空軍基地を訪れたトランプ氏は、「タリバンが取引を望んでいる」と説明した。アメリカとタリバンは協議再開の地ならしとして、捕虜を交換したばかりだった。

トランプ氏がアフガニスタンを訪れるのは、2017年の就任後初めて。現地時間午後8時半にアフガニスタンに到着。アシュラフ・ガニ大統領とも会談し、日付が変わる前に帰途についた。

訪問は感謝祭に合わせたもので、トランプ氏は基地の夕食会で米兵に七面鳥をふるまい、食事を共にした。

「うまくいくだろう」

トランプ氏は空軍基地で、タリバンとの和平協議再開について、「彼ら(タリバン)と会い、停戦が必要だと伝えたが、彼らは停戦を望まないと言った。しかし彼らはいま、停戦したいと言っている」と説明。

「その方向でうまくいくだろうと信じている」と述べた。

アメリカとタリバンの交渉が、どれほど中身があるのかは不明だ。

4000人以上削減の計画

トランプ氏はまた、アフガニスタン駐留米兵の「大幅な」削減も表明した。

アフガニスタンには現在、約1万3000人の米兵が駐留している。2001年9月11日の米同時多発襲撃事件を受け、タリバン追放のためにアフガニスタンへの駐留を始めてから、18年が経過している。

トランプ氏はこの日、駐留米兵を8600人ほどに減らす計画に改めて言及。しかし、どれだけの人数がいつ撤退するのかは明らかにしなかった。

「合意に達するか完全な勝利を収めるかして、彼らが取引の必要に迫られるまで、米軍は駐留を続ける」と述べた。

捕虜を交換

アメリカとタリバンの捕虜交換は、数週間前に行われた。

アメリカはタリバンの幹部戦闘員3人を解放。これに対しタリバンは、2016年から拘束していたアメリカ人ケヴィン・キング氏とオーストラリア人ティモシー・ウィークス氏の2人の学者を解放した。

アメリカとタリバンの和平協議は9月、トランプ氏がタリバーン幹部とガニ氏をワシントン郊外にある大統領専用のキャンプデービッド山荘に招いた直後に中止となった。

協議開催の2日前には、タリバンによるテロで米兵1人と市民ら11人が殺害され、トランプ氏が急きょ中止を決めた

国内政治を意識か

アフガニスタン側はしばらく前からタリバンとの停戦を求めてきたが、タリバンはアメリカと合意を結ぶのが先だとして、アフガニスタンとの直接交渉を拒んできた。タリバンは現在、2001年以降で最も広い地域を制圧している。

ロイター通信によると、タリバン幹部が米政府高官と先週末からドーハで会談していることを認めた。ただ、正式な交渉は再開されていないという。

BBCのクリス・バクラー北米特派員は、今回のトランプ氏の訪問は、同氏がアフガニスタンに興味をもっていることを示すものではなく、去年のクリスマス時期のイラク訪問と同様、国内政治を意識したものだと解説。

海外駐留の米兵との団結を示すことは、大統領にとって、国内で支持を得る上で重要だと述べた。

(英語記事 Trump makes first Afghan trip for Thanksgiving