2019年12月04日 13:33 公開

2020年米大統領選に向け、野党・民主党の候補者指名を争っていたカマラ・ハリス上院議員(55、カリフォルニア州)は3日、資金不足を理由に選挙戦からの撤退を表明した。

ハリス氏は3日、支援者に宛てたメールで、「私はあらゆる角度からこれ(選挙戦)を評価してきた。ここ数日間で、私の人生で最も厳しい決断の1つを下すこととなった」と書いた。

そして、「私の大統領選挙戦には、単純に、今後も継続していく上で必要な財源がない。私は億万長者ではないので、自分の選挙戦資金を調達できない。選挙戦が進むにつれて、競争に必要な資金を集めることがどんどん難しくなっていった」と、撤退理由を説明した。

撤退表明に先立ち、ハリス氏は電話会議で、選対スタッフに撤退の意思を伝えた。

ハリス氏は、「私の支持者の方々へ、私が今日、選挙戦から撤退することは非常に残念なことだが、深く感謝している。しかし、はっきりさせておきたいのは、私は今後も、この選挙戦が何であったのかということについて日々戦い続けるということだ。人々の正義のために、すべての人々のために」とツイートした。

https://twitter.com/KamalaHarris/status/1201929958496571392


支持集めたが混戦から抜け出せず

ドナルド・トランプ大統領への批判的な発言で知られるハリス上院議員は、立候補を表明した今年1月には民主党の希望の星として注目を集めた。カリフォルニア州オークランドで選挙運動を開始し、2万2000人もの支持者が集まった。

今年6月のテレビ討論で人種問題について民主党の最有力候補と目されるジョー・バイデン前米副大統領(77)を攻撃すると、支持率は2桁にまで達した。

しかしここ数カ月間、混戦状態の候補者指名争いから抜け出すのに苦戦していた。

ハリス氏は今年7月、第2・四半期に約1200万ドルの選挙資金を調達したと明らかにした。その後は資金繰りに苦しみ、11月にはメリーランド州ボルティモアの選対本部や、ニューハンプシャー州、カリフォルニア州の選対事務所のスタッフが解雇される事態となった。

それでも、バイデン氏や、バーニー・サンダース上院議員(78、無所属、ヴァーモント州)、エリザベス・ウォーレン上院議員(70、マサチューセッツ州)らと、トップの地位を維持することはできなかった。

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ハリス氏の夫ダグラス・エムホフ氏は、「私がきみを守る。いつもそうしているようにね」と、妻を支持するツイートを投稿した。

https://twitter.com/douglasemhoff/status/1201926112273551360


民主党候補者の反応

バイデン氏は、選挙活動で訪れていたアイオワ州メイソンシティで、「ハリス氏には一流の知性があり、一流の候補者だ。(中略)同氏の撤退については複雑な心境だ。彼女は本当にしっかりしていて、才能にあふれた人物なので」と述べ、選挙戦の対抗馬の1人だったハリス氏に敬意を表した。

ほかの候補者も、ハリス氏撤退の知らせを受けてすぐに敬意を表した。

コーリー・ブッカー上院議員(50、ニュージャージー州)は、ハリス氏とハグする写真をツイート。「私の親愛なる友人のカマラ・ハリスは先駆者だ。私は、上院で彼女と共に働くことが大好きで、常に顔を合わせていた。彼女は選挙戦で喜びと共に障壁を打ち破った。姉よ、大好きだ」と述べた。

https://twitter.com/CoryBooker/status/1201930335501594624


エイミー・クロブシャー上院議員(59、ミネソタ州)は、「カマラ(ハリス)はいい友人であり、非常に力のある公務員だ。時には選挙戦によって友情が引き裂かれることもあるが、私たちはさらに親しくなった。彼女は引き続きいい仕事をしていくだろう」とツイートした。

https://twitter.com/amyklobuchar/status/1201931934948921344


専門家らは戦略ミスを指摘

元検察官としてのキャリアを反映した、ハリス氏が当初掲げた「人民のために」というスローガンは、より進歩派の有権者である若者からの支持を集めることに失敗したと、評論家は指摘する。その後もスローガンを変更したもののうまくいかず、結局、元検察官らしく「正義は投票にあり」というスローガンに収まった。

BBCのアンソニー・ザーカー北米担当記者によると、評論家やアナリストはすでに、ハリス氏の選挙戦略や、ここ数カ月の間に確認できた失敗についてこき下ろしている。ハリス氏は、民主党内の穏健派と進歩派の中間を歩もうと努めた結果、どちら側にも働きかけることはできなかったと。

55歳のハリス氏には今後も、長い政治キャリアが残されているとザーカー記者は話す。バイデン氏のような候補者にとって、魅力的な副大統領候補になる可能性はある。ハリス氏が国政に初挑戦し、様々な期待に応えることができず、好機を逃したことが主に人々の記憶に残ることになるだろうが、彼女には第二章のための時間が十分残されている。

(英語記事 Kamala Harris ends bid for US presidency