2019年12月05日 13:38 公開

ケルジー・ヴラミス、BBCニュース

地球温暖化によって鳥の身体に変化が起きていることが、アメリカの最新研究で明らかになった。体長が縮んだ一方、翼幅(翼を広げた端から端までの長さ)は伸びているという。

研究チームは、北アメリカの渡り鳥52種について、過去40年以上にわたって集められた標本7万716体を調査した。標本は、イリノイ州シカゴで建物に衝突して死んだ鳥を集めたもの。

この種類の調査としては最大規模のもので、調査結果は、動物が気候変動にどのように対応しているのかを理解するのに重要な役割を果たすという。

調査を主導したミシガン大学環境・持続可能性学部のブライアン・ウィークス助教授は、「ほぼ全ての種類の鳥が小さくなっていた」と話した。

「対象となった種は多岐にわたるが、(気候変動への)対応は似ていた。ショッキングなほど一貫していた」

ウィークス氏によると、動物の気候変動への対応は通常、生息地域の変化や、移動および生殖の時期のずれなどに表れる。しかし今回の調査で、体の変化が第3の重要な側面として示唆された。

「これは大きな意味を含んでいる。この3つの変化全てを考慮に入れなければ、鳥がどのように適応しているのか理解するのは難しい」

鳥の体長は通常、脚の骨の長さで測定する。調査によると1978年から2016年の間に、脚の骨は2.4%縮んだ。一方、翼幅は1.3%伸びていた。

このことから、気温が高くなったことで体が縮み、それによって翼が長くなったと考えられる。

「長距離の移動は非常に大きな負担を強いられる」とウィークス助教授は説明する。

渡り鳥は、体が小さいほど使うエネルギー量が少なくて済む。また、翼が長く、その代わりに体が小さな個体の方が、長距離の移動に耐えられるという。

ただ、鳥の体が縮んだことと気温の上昇の関係は確実ではない。小さな体の方が体積に対する表面積の比率が大きいため、体温を下げやすいというのが一説だ。

ウィークス氏は、今回の研究に使われた標本は、シカゴ・フィールド自然史博物館の鳥類学者、デイヴ・ウィラード氏の「英雄的な努力」のたまものだと話す。

鳥の死体を収集

研究の共著者でもあるウィラード氏は1978年、春と秋の渡りの時期にシカゴの建物をめぐり、衝突して死んだ鳥を集め始めた。

渡り鳥は通常、夜に移動するが、建物の人工的な光に引き寄せられ、窓ガラスなどに衝突して命を落とすことがある。毎年、数億羽の鳥が建物との衝突で命を落としていると推測されている。

ウィークス氏によると、ウィラード氏は「今回の調査のことが頭にあったわけではなく、将来何かの役に立つと思って」鳥の収集を始めたと説明した。

それ以降、多くのボランティアや科学者がウィラード氏の活動に貢献した。

今回の研究では、ウィラード氏がたった1人で7万716体の標本を調査。同じ方法で全ての鳥を測定した。ウィークス氏は、これがこの手のデータを取り扱う際の「最善の方法」だと述べている。

温暖化による体長の変化は、他の動物でも報告されている。

2014年にはアルプス原産のヤギの体が、気温上昇によって縮んでいることが報告された。同じ年には別の研究で、気候変動によってサンショウウオの体長が急速に縮んでいることが明らかになった。

(英語記事 Birds 'shrinking' as the climate warms