2019年12月06日 14:02 公開

極東ロシアの小さな村に50頭以上のホッキョクグマが押し寄せ、学校などで警備体制が敷かれる事態になっている。チュクチ自治管区リルカイピでは、ホッキョクグマから住民を守るため、あらゆる公共活動が中止されている。

自然保護活動家は、ホッキョクグマが人里へ降りてきた要因は気候変動にあるかもしれないとしている。温暖化で海氷が減少していることで、えさを求めに村へとやってきた可能性があるという。

ほかの専門家は、ホッキョクグマが頻繁に現れることから、リルカイピの住民は永久的に避難すべきだとしている。

チュクチ自治管区(Chukotka Autonomous Okrug)リルカイピ(Ryrkaypiy)の地図

リルカイピでクマの監視作業を率いるタチアナ・ミネンコ氏は、 ロシアの国営メディアRIAノーボスチに対し、リルカイピでホッキョクグマ56頭を確認したと明かした。「さまざまな年齢の子グマを連れた雌」数頭が含まれ、ほとんどのクマはやせこけているように見えたという。

ホッキョクグマは通常、リルカイピから2.2キロほどのシベリア最北端シュミット岬に生息している。世界自然保護基金(WWF)の自然保護活動家ミハイル・スティショフ氏によると、同地域は近頃温暖になっているという。

「少なくとも一部の海氷にクマが歩き回るのに十分な強度があれば、クマはアザラシなどを求めて海へ行っているはず」だとしたうえで、海氷が凍るのを待つ間、クマはえさを求めて村にやって来たのだろうとスティショフ氏は述べた。

北方圏生物問題研究所(IBPN)のホッキョクグマ専門家、アナトリイ・コチネフ氏は先週、リルカイピに頻繁にクマが出没していることから、約700人の村人は避難すべきだとしていた。

コチネフ氏はロシアのタス通信に対し、村に接近したホッキョクグマの数は、5年前はわずか5頭だったと述べた。

「私は科学者として、リルカイピはあの場所に存続すべきではないと考える。(中略)我々は事態を掌握しようと努めているが、今後3~5年の間に何が起こりうるか想像したい人は誰もいない」

同地域の動物保護当局者のイゴール・ヴェレシチャギン氏は、住民が避難を望むのであれば、「住民投票を実施することができる」とタス通信に述べた。

(英語記事 Dozens of polar bears descend on Russian village