2019年12月09日 16:55 公開

ニュージーランド北部にある活火山のホワイト島が9日午後2時11分(日本時間同午前10時11分)、噴火した。警察によると、5人が死亡し、複数が行方不明。噴火当時、観光客約50人が噴火口の近くにいたという。

警察によると、噴火直前に噴火口の内側を歩く観光客の様子が目撃されている。これまでに23人を救出したものの、死者数は増える恐れがある。

現場は、救出作業を展開するには危険すぎる状態という。現在、軍が警察の応援に入っている。

「ワカアリ」とも呼ばれるホワイト島は、ニュージーランドでも特に活発な火山のひとつ。観光地としても人気で、日帰りツアーや観光フライトがたくさん行われている。

午前中の観光ツアーを終えて島を離れるボートに乗っていたマイケル・シェイドさんは、爆発した火山から噴煙が立ち上る様子を撮影して、ツイートした。

https://twitter.com/sch/status/1203894241413304320


シェイドさんはBBCに対して、自分は噴火のちょうど30分前に噴火口にいたのだと話した。

「その時はまだ安全ぽかったけれども、(火山を訪れる人数を)制限しようとしていた」という。

噴火の様子については、「自分たちはボートに乗ったばかりで……。誰かが気づいて指差したのでみんな目にしたんです。ともかくびっくりしてしまった」と言い、「ボートはすぐに島に戻って、桟橋で待っている何人かを乗せた」のだと話した。

別の目撃者、ブラジル出身のアレッサンドロ・カウフマンさんもぎりぎりのところで、噴火に巻き込まれずに済んだ。

「この日は火山を訪れたツアーは2組で、自分たちは最初の1組だった。噴火する5分前に島を離れた」と、カウフマンさんはインスタグラムにポルトガル語で投稿した。

「すぐ後に到着したもう1組は残念ながら、逃げるのが間に合わず、重傷のやけどを負った人たちもいる」

火山のライブカメラ映像では、映像が消える直前に噴火口内に数人の観光客がいる様子が見える。

救出作業は難航

ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は、国内外から「複数」の観光客が島内やその周辺にいたと話した。

「大切な人が噴火当時の島にいた人たちはどれほど心配で気がかりか、承知している。警察はできる限りのことをしている」と首相は述べ、警察は救出捜索活動を始めたものの、降り続ける火山灰のためなかなか現場に近づけずにいると話した。

ジョン・ティムス警察副長官は、「現時点では警察や救急救命隊が島に行くのは危険すぎる」と述べ、島は「火山灰など火山噴出物で覆われている」と話した。

「警察や救急隊が島に上陸できる状況か、専門家の助言を受けながら判断を続けている」

警察は当初、島内と周辺に約100人いると発表したが、後に人数を約50人に下方修正した。

噴火は予測されていたのか

地質学的な危険の可能性をモニターするウエブサイト「GeoNet」は12月3日、ホワイト島の火山が「噴火活動が通常以上にあり得る時期に入りつつあるかもしれない」と警告していた。ただし同サイトは、「現在の活動レベルは訪問者に直接の危険を与えるものではない」とも付け加えていた。

オークランド大学のジャン・リンジー准教授によると、最近になって警戒レベルが「1」から「2」に引き上げられたところで、「活発化していたことはみんな承知していた」という。

「火山の熱水活動が常に活発で、粘土や泥のかたまりの下にガスが充満すれば、いきなり放出されることはあり得る」、「マグマは関係なく、単なる水蒸気の噴出だった可能性もある」と、准教授は話している。

しばしば噴火するホワイト島が最後に噴火したのは2016年。当時は負傷者はいなかった。

警察は付近の住人に「降灰の可能性」を認識し、屋内に留まるよう呼びかけている。

ただし、今回の噴火は北島には影響を与えそうにないとみられている。

(英語記事 New Zealand volcano: At least one dead with number expected to rise