2019年12月13日 12:59 公開

ニュージーランド北部ホワイト島で13日、噴火後初めての捜索活動が行われ、6人の遺体が収容された。遺体は、ニュージーランド海軍の哨戒艦「ウェリントン」へ運ばれた。

この日の「迅速な」遺体回収作業は、さらなる噴火の恐れがある中で開始された。

遺体回収計画の内容

防護服と呼吸装置を身につけたニュージーランド軍の専門家は13日朝、遺体を回収するため、海軍のフリゲート艦からヘリコプターでホワイト島へ向かった。

捜索チームが島にいる間に再噴火が起きれば、チームはマグマや高温の水蒸気、灰や岩などの噴出物に見舞われる危険があると、火山学者は指摘する。

捜索作業中は、地質学者がリアルタイムにデータを分析し、作業を中止する必要があるかを見極めている。

ニュージーランド警察のマイク・クレメント副総監は記者団に対し、遺体の回収作業で「間違いが起きる可能性はたくさんある」と警告した。

通常の遺体回収作業では、警察はすべての遺体の適切な身元確認を確実にするだけの証拠を、十分な時間をかけて現場で収集する。今回は迅速に作業を進めるため、こうした証拠の収集に充てる時間が少なくなる。

ニュージーランドヘラルドによると、収容された6遺体はすべて約200メートルの範囲内で見つかったという。

地質学的な危険の可能性をモニターするウエブサイト「GeoNet」は12日、今後24時間以内にさらなる噴火が起こる確率は50~60%だと発表した。

再噴火のリスクが高まる中、犠牲者の家族から遺体の回収を切望する声が日に日に高まっている。

9日午後2時11分に発生したホワイト島の噴火では、発生当時、オーストラリア人24人、アメリカ人9人、ニュージーランド人5人、ドイツ人4人、中国人2人、イギリス人2人、マレーシア人1人、合わせて47人の観光客が噴火口付近にいた。

これまでに8人の死亡が確認されており、今回回収された遺体と合わせて死者は14人となった。現在、20人が重度のやけどを負って集中治療を受けている。

マオリ族の「ラフイ」

ニュージーランドの先住民マオリ族のグループは、「ラフイ」と呼ばれる儀式的な慣習を10日に開始した。

これは、死亡事故が発生した際や、天然資源の保護のためにするもの。法的効力はないものの、一般的にニュージーランド人はその意味合いを尊重するという。

今回の「ラフイ」では、遺体回収チーム以外によるホワイト島への立ち入りと、周辺海域での漁が禁止される。遺体が回収され次第、「ラフイ」は終了するという。

ホワイト島はマオリ族から「ワカアリ」と呼ばれ、先住民ンガティ・アワ族にとって神聖な場所。

ンガティ・アワ族から、専門家1人が遺体回収作業に加わる予定。

移植用の皮膚を発注

ニュージーランドのスチュアート・ナッシュ警察相は、生存者のやけどの状況について、一部の人は身元確認が困難なほど重傷だと説明した。

「会話ができない状況の負傷者が多数入院している。皮膚だけでなく内臓にも深刻なやけどを負っている」

ニュージーランドの熱傷治療専門機関のピーター・ワトソン主席医務官は、患者の皮膚移植には推定120万平方メートル分の皮膚が必要だと述べた。一部はアメリカに発注されたという。

当局によると、ニュージーランド中の外科医は、昼夜問わず治療にあたっているという。

オーストラリア人の犠牲者数人はすでに本国へ搬送されている。今後数日以内に、さらに搬送される予定。

(英語記事 NZ troops airlift bodies off volcanic island