イギリスの田舎の方というのは食品工場のパック詰めとかキャベツ収穫といった仕事しかないんですよ。DQN(無教養で非常識な行動をする人)だらけでストばっかりやって仕事しないやつらにしびれを切らしたサッチャー元首相がダメな会社をボコボコにつぶしてイギリスは金融とかIT(情報技術)主体な国になりましたから。こういう貧困地帯は仕事といえばその他は病院や役所くらいしかない。

 うちの家人の実家は北部の炭鉱地帯なのですが、本当にこんな感じです。住民は貧乏で運動も嫌いで寒いので早く死にます。

 で、工場や農場はブルガリアとかラトビアの若い人を最低賃金で雇う。母国は月収5千円とか5万円な世界だから、そりゃイギリスで超働きます。怠惰な地元民は雇われないですよ。クリスマスに休みたいとか言うから。

 EUに加盟していると、この勤勉な激安労働力が自由に来ちゃうわけです。分かりますか、地元民の恐怖が。

 さらに今は資産格差の広がり方がすさまじいから、昔より格差がひどいわけです。ロンドンの通勤圏に持ち家があったら中古でも値段がぐんぐん上がる。過去20年で、ど田舎の貧困地帯とロンドン周辺の住人だと資産格差が5倍、6倍。地方民は一生貧民のままですよ。賃金が安すぎるし、家も売れないからロンドンに転居して家を買うこともできません。

 こんな状況なわけですから、とっととEU離脱して移民を入れたくないという貧民や、なんとか経済が良くなってくれて仕事が増えればいいなと思っている人が大半です。

 労働党の支援者というのはその多くが貧民ですからね。そういう貧民の意思に反して公務員の給料を増やしてやるとか仕事はつくんねーよ、激安移民はバンバン入れるとかいったらそりゃね、投票しないですよ。

 労働党の真っ赤かな政策に賛成するのは、世田谷自然左翼ですよ。なぜかって言うとこの人たちは大企業とか役所に勤めていて、激安移民が増えれば安い派遣社員とか子守が雇い放題になりますからね。儲かるんですよ。ストやられても関係ないのよ。自家用車で移動だし、巨大な家に住んで何でも使用人がやるんで。

 保守党勝利はイギリスに良いことだらけです。

 まず「合意なきEU離脱」の良い点。イギリスの租税権、つまり自分のところで税金決める権利が安泰ってことです。EUは税制を全加盟国で統一したいんですよね。目的? それは金持ちからもっと搾り取りたい。だから何が起きるかというと、金を守りたい金持ちは、イギリスにさらに集まってくるんですよ。

 すでにロンドンは欧州だけじゃなく世界中の金を守りたい金持ちが集まっているんですが、それが加速するでしょうね。フランスやドイツは実に商売がやりにくいし、金をむしり取られますから。

 金持ち保護だから商売もさらにやりやすくなりますよ。イギリスは起業も破産も恐ろしく簡単だし、労働法も欧州で一番緩い。創業者利益も一番でかい。日本よりはるかに金持ちにフレンドリーですよ。

 次にEUから勝手に人が入ってきたり、住んだり働いたりできるのを制限すると何が起きるか。EU経由で入ってくるテロリストや犯罪者を防げるわけです。今までユルユルだったので。これは治安維持にプラスです。さらにEU(要するにドイツ)が各国に押し付けている難民割り当てからもさようなら。

 貿易については、イギリスはEUから買う方で、輸出はEU以外が多いので問題なし。困るのはドイツ。
G7外相会合の記念撮影の合間に握手を交わす河野外相(右)と英国のジョンソン外相※ともに当時=2019年カナダ・トロント(ロイター=共同)
G7外相会合の記念撮影の合間に握手を交わす河野外相(右)と英国のジョンソン外相※ともに当時=2019年4月、カナダ・トロント(ロイター=共同) 
 さらにね、イギリス国内では世田谷自然左翼は没落ですね。労働党内部でのリーダーシップ抗争が勃発してますから。労働党が伝統的な労働者支持路線に戻り、もう少し緩いリベラルになるのか、過激路線のままでいくのか知らんけど。

 日本のメディアの人々はロンドンに住んでいるから付き合うのは世田谷自然左翼だらけ。イギリスの地方や貧民地帯の実態を知らないから選挙結果が大外れしたわけですよ。イギリスのバスにはKFC(ケンタッキーフライドチキン)の骨を吐くやつなんて、いないと言い張る左翼は信用しちゃだめですよ。特に為替と株をやってる方はね。(文中一部敬称略)