
2019年12月16日 17:20 公開
アメリカのグリーティングカード会社大手、ホールマーク・カーズ所有のケーブルテレビ局が、同性カップルを主役にしたコマーシャルの放送を取り止めにし、謝罪に追い込まれた。
問題となったのは、結婚関連サイト、ゾラ(Zola)のコマーシャル。
ホールマークは、保守的な団体ワン・ミリオン・マムズの圧力を受け、この放送を取り止めた。
この決定に対し、ソーシャルメディアでは、ホールマーク商品のボイコットの呼びかけが起こった。
米人気司会者エレン・ディジェネレスは、「もうすぐ2020年なのでは? 何を考えているのか? 説明を願う。みんな答えを待っている」とツイートした。
https://twitter.com/TheEllenShow/status/1206009735167672320
来年の米大統領選の民主党候補を争っているピート・ブダジェッジ市長(インディアナ州サウスベンド市)も、「家族は愛の上に築かれる――外見がどうであろうと」とツイート。
「『家族にやさしい』とは、愛を尊重することであり、違いを検閲して削除することではない。私たちがこの国を、排除ではなく所属によって定義される場所へと再建しているいま、この真実はこれまで以上に大事になる」と続けた。
https://twitter.com/PeteButtigieg/status/1206298996408492036
さらに、ネットフリックスUSや、カリフォルニア州のギャヴィン・ニューソム知事も、ツイッターでホールマークを批判した。
性的マイノリティの啓発団体グラード(Glaad)が始めたハッシュタグ #BoycottHallmarkChannelは、15日午後までに1万6000件を超えるツイートがされている。
CEOがお詫び
こうした反応を受け、ホールマークでは、コマーシャルの放送を再開し、ゾラとの関係修復を図りたいとしている。
ホールマークのマイク・ペリー最高経営責任者(CEO)は、「傷つけ、がっかりさせたことを心からお詫びする」とコメントを出した。
同社はウェブサイトで公表した声明で、「私たちのブランド全体でLGBTQ(性的マイノリティー)をより反映させるため、グラードとともに活動していく」とした。
「議論を呼ぶと思われる場合は」
コマーシャルの取り下げを働きかけたワン・ミリオン・マムズは、同性愛者の権利に長年反対している全米家族協会(American Family Association)のオンライン活動の1つだ。
ワン・ミリオン・マムズはウェブサイトで、ホールマークの親会社クラウン・ファミリー・ネットワークスのビル・アボットCEOと個別に話をしたとしている。
アボット氏は、問題のコマーシャルを取り下げたが、誤って放送されたと述べたという。
クラウン・メディアはゾラに対し、同社のコマーシャルのうち4本は今後、放送されないと通知。クラウン・メディアでは「議論を呼ぶと思われる創造物を受け入れることはできない」と説明した。