2019年12月17日 12:36 公開

米航空機大手ボーイングは16日、2度の墜落事故を起こした737マックス型の生産を、来年1月から一時停止すると発表した。

ワシントン州シアトル郊外に製造工場を構えるボーイングは、今年末までの運航再開を目指していた。しかし、米航空規制当局は早期の運航承認はしないと明確にした。

同社製737マックス型をめぐっては、半年で2度の墜落事故が発生。今年3月以降、世界中の全371機が運航停止となっている一方で、生産は継続されていた。

ボーイングは声明で、「安全なかたちで737マックス型の運航を再開させることが、我々の最優先事項だ」と強調。

「規制当局や顧客、乗客が737マックス型の改善に確信を持てるようにするために、737マックス型の運航再開への承認プロセスや、適切な訓練要件の決定プロセスが、非常に綿密でしっかりとしたものでなければならないと、我々は理解している」としている。

また、737マックス型に携わっている従業員の一時解雇はしないだろうと説明している。だが、同型機の生産停止は納入者や経済へ広く影響を及ぼすことになりそうだ。

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航空業界に「大規模な影響」

旅行業界アナリストのヘンリー・ハーテベルト氏は、生産を一時停止するという判断は前例がなく、「ボーイングや納入者、航空会社に大規模な影響」を及ぼすだろうと指摘する。

「737マックス型のサプライチェーンに含まれる600余りの企業や、関連する航空会社、ボーイング自体に、本当に混乱を引き起こすだろう」

ボーイングには、同型機の運航停止ですでに90億ドル(約9800億円)もの費用が発生している。生産の一時停止が発表されるのではとの見方が広がり、同社株価は16日に4%以上下落した。

航空当局が危険性認識か

今月11日に開かれた米下院運輸経済基盤委員会の公聴会では、ライオン航空機墜落後、さらなる事故の危険性があることを米航空規制当局が認識していたとする資料が公表された。

米連邦航空局(FAA)の内部資料では、変更を加えない限り、737マックス型の耐用年数中12回以上もの墜落事故が発生する可能性があると示されていた。それにも関わらず、今年3月にエチオピア航空機が墜落するまで、同型機の運航は停止されなかった。

修正プログラム

2度の事故の原因となったのは、機首が上がり過ぎて失速しないようにするために搭載されていた操縦特性向上システム(MCAS)とされる。事故当時、機体が失速していないにも関わらず、機首を何度も強制的に下げさせるという誤作動が起きていた可能性がある。

運航停止して以降、ボーイングはMCASのソフトウェアを修正し、調査手順を徹底的に整備するとしている。

ボーイングは、現在保管中の同型機400機を、顧客のもとへ出荷することに重点を起きたいとしている。世界中の多くの航空会社から受注を受けてはいるものの、同社エンジニアがソフトウェアの修正プログラムの開発を進めるために出荷は停止されている。

737マックス8型機をめぐっては、昨年10月、インドネシアの首都ジャカルタ発バンカ島パンカルピナン行きのライオン航空機がインドネシア沖に墜落し、189人の犠牲者を出した。

今年3月には、エチオピアの首都アディスアベバからケニア・ナイロビに向かっていたエチオピア航空302便が離陸直後に墜落し、乗客乗員157人全員が死亡した。

(英語記事 Boeing to halt 737 Max production in January