もちろん、マダイやイシダイなど、本当に出品され、オークションが成立したケースもあるが、以下は、筆者が保健所からヒアリングした内容である。

 まず、不特定多数にサイトで魚を販売する場合、届け出や審査、許可を受けなければ食品衛生法違反となる。また、冷凍ものを出荷するにも食品衛生法で定められた加工に関する許可を取る必要があるという。これが通販の場合、かなり厳しい。

 冷凍ではなく、一般的にある冷蔵の配送は、食品加工にはならないので大丈夫だと釣り人は思ってしまうだろうが、結論からいえば、釣った魚を「締める」という行為も食品加工に関する許可が必要になる。

 それ以前に、通常は食品加工に関する許可は自宅では下りない。まして、自宅の冷凍、冷蔵庫に保管なども認められないし、調理場も専用のものが義務化され、隔離が条件である。繰り返すが、許可を得ていなければ、生きたままの魚を売る以外は、すべて食品衛生法の対象になり、違反となる。

 要するに、これをフィッシュセールの管理者が合法と認識しているとしたら見識を疑わざるを得ない。管理者は、指摘された違法性などはすべてクリアしたとサイトに表記しているようだが、出品に際し、許可証の確認はしたのだろうか? 通常のネット通販なら許可証を公開している。

 一方、出品する側もさることながら、買う側が飲食店だとしたらその店は経営状況が疑わしいと言わざるを得ない。もし、買った店がその魚を料理して提供し、客が食中毒になった場合、誰が責任をとるのか。本来は売った側だ。ならば、このサイトは、どう責任を取るのか。
※写真はイメージ(ゲッティイメージズ)
※写真はイメージ(ゲッティイメージズ)
 実は、食品衛生法は、基本的には調理をした業者だけが責任を取らされ、売った側は責任を問われにくい法律だ。本来、調理師は食品衛生に関する許可を取っており、講習も受けているため、食中毒が命取りになることは分かっている。だから、通常知らない人から直接購入もしない。不特定の出品者からの魚をオークションで入札する飲食店がいるとしたら、普段から経営も芳しくないと思って間違いはないだろう。