2019年12月19日 16:17 公開

サッカーの英プレミアリーグ、アーセナルのMFメスト・エジル選手(31)が、中国によるイスラム教徒のウイグル人に対する扱いについて批判したところ、世界的に人気が高いサッカーゲームの中国版から削除された。

元ドイツ代表のエジル氏は、ウイグル人を「迫害に抵抗する闘士たち」と呼んでいる。同氏はトルコ系でイスラム教徒。

エジル氏はウイグル問題をめぐって、中国政府と、沈黙しているイスラム教徒の両方を批判している。

サッカーのビデオゲーム「プロ・エボリューション・サッカー(PES)2020」の中国版を展開するネットイーズ(NetEase)は、PESの中国国内における3種類から同選手を除外したと述べた。

PESは日本では「ウイニングイレブン」として知られる。

「中国ファンの気分害した」

ネットイーズは声明で、「ドイツ選手のエジルは、ソーシャルメディアで中国について極端な声明を投稿した」と説明。

「発言内容は中国人ファンたちの気分を害し、愛と平和というスポーツの精神を侵した。理解も許容も容赦もしない」と述べた。

アーセナルは距離を置く

こうした動きに、アーセナルは「政治とは無関係」との立場を強調。

中国外務省は、エジル氏が「うそのニュースにだまされている」と主張している。

人権団体は、中国ではイスラム教徒のウイグル人コミュニティーの居住者を中心に、約100万人が裁判を経ずに、高度に警備された収容所に拘束されているとみられるとしている。

中国は一貫して、イスラム教徒のウイグル人に対する虐待を否定。暴力的な宗教過激派と闘うため、ウイグル人は「職業訓練センター」で教育を受けていると説明している。

エジル氏称賛の声も

英ムスリム評議会のハルーン・カーン事務総長は、エジル氏の行動は「高くたたえられる」と称賛。一方、エジル氏から距離を置くアーセナルの決定に対しては「残念だ」と評した。

エジル氏は先週、中国のウイグル政策を批判するコメントをソーシャルメディアに投稿。中国側はこれに反発し、アーセナル戦の同国内でのテレビ放映を中止した。

(英語記事 Ozil removed from PES 2020 in China