2019年12月20日 10:50 公開

長期的な森林火災に見舞われているオーストラリア南東部ニューサウスウェールズ州は19日、記録的熱波で事態が悪化する恐れがあるとして、7日間の非常事態を宣言した。同州の非常事態宣言は、先月に続いて2度目。

ニューサウスウェールズ州では現在、約100カ所で森林火災が発生しており、当局が対応に追われている。これまでに6人が死亡し、住宅数棟が全焼したほか、数百ヘクタールが燃えている。

こうした中、17日の全国平均気温は観測史上最高の摂氏40.9度を記録。さらに翌18日には41.9度に達し、記録を塗り替えた。

非常事態を宣言した同州のグラディス・ベレジクリアン首相は19日、「今後数日間の最大の懸念は、予測不能な激しい風や極めて高い気温に見舞われることだ」と記者団に述べた。

同州の一部地域ではこの日、気温が40度を超えた。週後半には、さらなる暑さに見舞われると予測されている。

森林火災への影響は

当局は、高温と強風が合わさることで、この危機的状況が悪化する恐れがあると警告している。

19日にはニューサウスウェールズ州バーゴー近郊で、消防士3人が「炎に包まれ」深刻なやけどを負った。また、同州シドニーの南西約100キロのバクストンでは、消火活動のボランティアらが乗った地元消防局の車両が木に衝突、横転する事故が発生し、運転手と助手席に乗っていた2人が死亡、ほかのボランティア3人が負傷した。

シドニーは火災による煙に再び覆われ、市内の一部地域では大気の汚染状況が「危険」なレベルを超えた。州全域では21日深夜0時まで「火の使用が全面禁止」になっている。

隣のクイーンズランド州では18日、十数世帯が避難する事態となった。

政府に批判

深刻な干ばつによる乾燥で火災が悪化しており、同国の気候政策に対する批判が起きている。また、こうした状況の中、海外で休暇を取っているスコット・モリソン首相に対しても、ソーシャルメディアで怒りの声が上がっている。

地元メディアによると、モリソン首相は家族とハワイに滞在している。同首相の自宅前では19日、約500人が集まり、気候政策に取り組むよう抗議した。

モリソン首相は20日朝、声明を発表し、「このような時に私が家族と国を離れたことで、悲惨な山火事の被害を受けた多くのオーストラリア国民の気分を害したことを深く後悔している」と謝罪。当初の予定より早く帰国するとしている。

(英語記事 Australia all-time temperature record broken again/Australia PM admits Hawaii holiday during fires/Australia PM admits Hawaii holiday during fires