ただ、初期の「ベビーブーム世代」がいまだ強烈だとはいえ、新しい動きも見られる。民主党の立候補者の中に、現在37歳と若いインディアナ州サウスベンド市のピート・ブティジェッジ前市長もいるからだ。

 大統領選の被選挙権は35歳であり、この年齢を少しだけ上回る。各種調査の支持率で4位につけており、民主党候補最初の指名争いである2月3日のアイオワ州の予備選では、同じ中西部州出身ということもあって、現在各種支持率で1位を記録している。

 もし民主党の予備選を勝ち抜いて、共和党の予備選を勝ち抜くことが確実なトランプ氏を破ったとするなら、就任時43歳のケネディ氏よりも若く、ブティジェッジ氏は史上最年少で大統領の座に就く。

 上述の通り「ベビーブーム世代」は幅広く、ジョージ・W・ブッシュ氏、クリントン夫妻、トランプ氏が世代初期とすると、オバマ氏は末期に属することになる。

 これに続くのが、1965年から80年代初めごろに生まれた「X世代」、そして部分的に重なるが、81年から96年生まれで2000年代に成人を迎えた「ミレニアル世代」だ。1982年生まれのブティジェッジ氏は「ミレニアル世代」の初期に属する。

 年配の候補がそろう中、自分の若さが「政治的未熟さ」と見られないように、ブティジェッジ氏は今のところ、自分からはあまりアピールしていない。それに、バイデン氏やサンダース氏と比べて、年齢の半分以下であるのはやりにくいところもあるだろう。ただ、ブティジェッジ氏の健闘次第では、2020年大統領選が高齢化する印象が薄れるかもしれない。

 特筆したいのは、「ミレニアル世代」が人口的に「ベビーブーム世代」を上回って迎える最初の大統領選が2020年である点である。長年しぶといほど目立っていた「ベビーブーム世代」が今後はしぼんでいくターニングポイントに達したのかもしれない。
2019年11月、米ニューハンプシャー州ロチェスターの選挙集会で演説するブティジェッジ・サウスベンド市長(AP=共同)
2019年11月、米ニューハンプシャー州ロチェスターの選挙集会で演説するブティジェッジ・サウスベンド市長(AP=共同)
 その「ミレニアル世代」の台頭を象徴するのが、ブティジェッジ氏なのだ。70代の「ベビーブーム世代」の有力候補が立ちはだかる中、ブティジェッジ氏が大統領になった場合、かつてのクリントン氏がそうであったように政治の世界にも世代交代が一気に来るのであろう。

 実際にその波が押し寄せるのかどうか。まずはブティジェッジ氏が支持率で1位に立つアイオワ州の2月の党員集会の動向が注目される。