2019年12月24日 13:06 公開

アメリカのミッチ・マコネル上院院内総務(共和党)は23日、ドナルド・トランプ大統領に対する上院での弾劾裁判で、証人喚問の可能性を排除していないと発言した。

下院は18日、トランプ大統領が個人的利益のため、軍事援助の凍結解除などを取引材料にウクライナに働きかけたとして、権力乱用と議会妨害についての弾劾決議を可決。年明けにも上院で弾劾裁判が開かれる予定だ。

与野党の上院議員は現在、弾劾裁判の進め方について対立している。

民主党は、公正な裁判のためには証人が必要だと主張。ウクライナ問題に関係するホワイトハウス関係者を少なくとも4人、召喚したいとしている。

一方マコネル氏はこれまで、裁判を迅速に行うために証人を呼ばない考えを示していた。

下院で過半数を占める民主党は、証人を呼ぶ確約を、マコネル氏から取り付けたい考え。そのため、弾劾裁判の実施に必要な下院決議を、上院へ提出するのを遅らせている。

ホワイトハウスが公表した通話記録によると、トランプ氏は7月25日にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との電話で、来年の大統領選で対立候補になるかもしれない民主党のジョー・バイデン前副大統領と、その息子でウクライナ企業の役員を務めていたハンター氏について捜査するよう働きかけていた。

民主党が進めた調査では、トランプ氏は政敵に対する捜査要求と引き換えに、すでに米議会が承認していたウクライナへの軍事援助4億ドルの凍結解除を提示したほか、ホワイトハウスでの首脳会談の実現を提示したとされている。

民主党が多数を占める下院は、これが大統領権限の乱用に当たるとしたほか、トランプ氏が下院への協力を拒否し弾劾調査を妨害したとして、議会妨害に当たると認定した。

「証人を除外していない」

マコネル院内総務はフォックスニュースのインタビューで、「我々は証人を除外していない」と述べた。

また、ナンシー・ペロシ下院議長(民主党)が「不合理な立場」を保持し、「我々に裁判の進め方を押し付けようとしている」と批判した。

「私はこの裁判の実施を強く望んでいるわけではない。彼女が決議をずっと手にしたいならそうすればいい」

「我々は行き詰っている。下院議長が決議を提出してくれない限り何もできない。だから休暇を楽しむしかない」

トランプ氏は、下院で弾劾訴追された3人目の大統領となった。ただし、上院が大統領を罷免するには3分の2以上の賛成が必要なため、共和党が過半数を占めている上院では、大統領職から罷免される可能性は非常に低いとみられている。

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民主党の反応は?

ウクライナ問題をめぐっては22日、7月25日の電話会談の直後に、ホワイトハウス幹部が国防省幹部に軍事援助の凍結について電子メールで連絡していたことが明らかになった

これを受け、民主党は弾劾裁判への証人喚問が必要だとあらためて主張。同党のチャック・シューマー上院院内総務は、「このメールはものすごい証拠だ」と強調した。

シューマー氏とマコネル氏は19日に「友好的な」会談を行ったものの、弾劾裁判の進め方については膠着(こうちゃく)していた。

22日の記者会見でシューマー氏は、共和党は「証人や証拠が必要ないという妥当な理由を思いつかないだろう」と述べた。

「証人が何を言うのか、証拠書類に何が書かれているのかは分からない。トランプ氏を無罪とするかもしれないし、さらに罪を深めるかもしれない。しかし弾劾のような重要な場面でこそ、真実が明らかになる」

民主党はまた、マコネル氏が自分はホワイトハウスと「完全に連携」すると発言したことから、共和党の上院議員は中立な陪審員にはなれないと主張している。

(英語記事 Republicans 'open to Senate impeachment witnesses'