2020年01月02日 17:30 公開

民主化を求めるデモが続く香港は1日、数万人規模のデモが行われる中で新年を迎えた。デモの大部分は平和的に行われたものの、複数カ所で暴力行為が勃発し、警察が催涙ガスを発射する事態となった。

昨年12月31日夜、デモ隊はヴィクトリア・ハーバーでの新年のカウントダウンに先立ち、混雑したショッピング街で数キロにわたる「人間の鎖」をつくった。

カウントダウンが始ると、デモ隊は「10、9、香港を解放せよ、今こそ革命の時だ!」と叫んだ。

活気溢れる旺角(モンコック)市場では、日没後に一部の人がバリケードに火をつけたり、花火を上げるなどし、交通を妨げた。

現地紙サウスチャイナ・モーニングポストによると、警察はデモ隊を排除するために水砲や催涙ガス、ゴム弾を使用した。

「自由はタダではない」

1日午後には幅広い年齢の人々が、ヴィクトリア・パークからデモ行進した。

昨年10月に香港政府がデモ参加者のマスクや覆面の着用を禁止する「覆面禁止法」を制定したが、参加者の中にはマスク姿で、「自由はタダではない」と書かれたサインを掲げる人もいた。

ある男性はロイター通信に対し、「『ハッピーニューイヤー』と口にするのは難しいです。香港人はハッピーではないので」、「5つの要求が実現しない限り、そして警察が自分たちの暴力行為の責任を負わない限り、私たちは本当の意味で『ハッピーニューイヤー』は迎えられない」と述べた。

1日の反政府デモを主催した「民間人人権陣線(CHRF)」の岑子杰(ジミー・シャム)氏は、「新年を迎える前に政府が抑圧を開始した。(中略)抑圧を受けているものが誰であっても、私たちはその人たちを支持する」と述べた。

議員らが行政長官に働きかけ

議員約40人や18カ国の高官は12月31日、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官に対し、共同で公開書簡を送付。「香港人の不満に対処することによって、この危機から前進する真の方法を模索」するよう求めた。

犯罪容疑者の中国本土引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改定案に端を発した反政府デモは、6月から続いている。デモは次第に完全な民主主義を求める抗議運動へと変化してきた。

一連のデモでは、これまでに6500人以上が逮捕されている。

デモ隊の5要求

一部のデモ隊は 「五大訴求、欠一不可(5つの要求 1つも欠けてはならない)」を掲げている。デモ隊が求めているのは、逮捕されたデモ参加者全員への恩赦、デモ参加者に対する警察の暴力をめぐる独立調査、行政長官選挙での普通選挙の実施、抗議行動に対する「暴動」という言葉の使用取消しの4要求。5つ目の改定案の正式撤回については、昨年10月に香港政府が正式撤回を表明した。

150年以上にわたりイギリスの植民地だった香港は、1997年に「一国二制度」の下に中国に返還された。香港特別行政区となり、独自の法制度や国境を持つほか、表現の自由などの権利も保障されている。

中国の習近平国家主席は1日、新年の祝辞の中で、中国政府は香港の「繁栄と安定を断固として保護する」と述べた。

(英語記事 Hong Kong kicks off 2020 with fresh protests