2020年01月08日 15:37 公開

イランの首都テヘランで8日早朝、イマーム・ホメイニ空港を離陸した直後のウクライナ航空機が墜落した。イランの国営ファルス通信が発表した。

ウクライナ航空PS752便は午前6時12分(日本時間午前11時42分)、テヘランからウクライナの首都キーウ(キエフ)に向かって出発した。

このボーイング787型機には、乗客乗員170人以上が乗っていた。ウクライナのヴァディム・プリスタイコ外相は、犠牲者はイラン人82人、カナダ人63人、乗員9人全員を含むウクライナ人11人、スウェーデン人10人、アフガニスタン人4人、ドイツ人とイギリス人が各3人と伝えた。

イランとアメリカの対立に関係するかどうかは明らかになっていない。

在イランのウクライナ大使館は、墜落の原因はテロではなくエンジン不良だったと話している。

ウクライナ大使館は外務省のウェブサイトを通じ、「速報によると、墜落事故は技術的理由によるエンジン不良が原因。テロ攻撃の可能性は現時点で排除されている」と説明した。

また、オマーン訪問中のウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、予定を早めてキーウに戻ることにしたという。

一方で大統領は、正式な報告書が準備できるまでは「この惨事についての憶測や論拠のない説」に注意するよう呼びかけ、声明で「全ての乗員乗客の家族や友人にお悔やみ申し上げます」と述べた。

さらに、イラン政府の了解を得た上で、犠牲者の遺体をウクライナに帰還させるための特別機を派遣すると述べた。

ウクライナ航空は、テヘラン行きの便を全て欠航とした。また、墜落した旅客機は6日に点検・修理を終えたばかりだったと述べている。

現場には救援隊が派遣されたが、イランの赤新月社のトップは国営テレビで、生存者を見つけるのは「不可能」だと語った。

イランメディアによると、救援隊が墜落機のブラックボックスのうちの1つを発見したという。

航空安全の専門家トッド・カーティス氏はBBCの取材に対し、墜落機は2016年製造で、ウクライナ航空が新たなに購入したものだと説明した。

「墜落機は粉々になってしまっている。つまり、地上で大きな衝撃を受けたか、空中で何かが起きたと考えられる」とカーティス氏は指摘した。

「あらゆる状況から見て、この旅客機は正しく整備され、欧米の航空当局からも特段の問題はないとされていた。そのため、現時点では特定の原因を示すものは何もない」

また、今回の墜落の調査にはイランとウクライナのほか、アメリカやフランス当局も加わるだろうと述べた一方、イランとアメリカの対立が高まる中、各国がどのように協力するかは不透明だとしている。

「当局はまず、機内で何が起こったのかをまとめようとするだろう(中略)機体の状況や、搭載していた燃料に墜落の原因があったのかどうかを調べることになる」

「さらに、機体の外で何かが起こった可能性も否定できない。空中での衝突や、その他の要因が関係しているかもしれない」

今回墜落したボーイング737-800型機は、世界中で何千機もが運用されており、すでに数千万回航行している。カーティス氏によると、これまでに今回の墜落を含めて10件の事故が起きているという。

一方、ウクライナ航空にとっては、死者の出た墜落は今回が初めて。

(英語記事 Ukrainian passenger plane crashes in Iran