2020年01月10日 10:07 公開

英下院(定数650)は9日、ボリス・ジョンソン首相が欧州連合(EU)と取りまとめたEU離脱協定を国内で法制化するために法案を、330対231の賛成多数で可決した。

イギリスは1月31日にEUを離脱する予定。離脱の条件を定めたこの法案には、EUに支払う「清算金」や、在英EU市民と在EU英国民の権利、北アイルランドをめぐる関税規定、ブレグジット(イギリスのEU離脱)後の11カ月間の移行期間などが盛り込まれた。

法案は週明けにも上院に送られる。上院議員が修正を求めた場合は、下院で再度、採決が行われる。

与党・保守党は昨年12月に行われた総選挙で過半数議席を獲得したため、法案可決は想定内だった。

下院はクリスマス休暇直前に、この法案の大枠を承認。3度目となる9日の審議も滞りなく行われた。賛成票330票は全て保守党議員によるものだった。

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1月末にEUを離脱した後、イギリスは11カ月間の移行期間に入る。

移行期間は、イギリスとEU間の通商協定など、将来の関係性を決めるために設けられた。期間中、イギリスはEUの加盟国ではないが、EU法に従い、予算に貢献する必要がある。

野党・自由民主党のアリスター・カーマイケル・EU離脱担当報道官は、「危険な」法案に反対し続けると語った。

「未来の世代が(EU加盟)27カ国で生活し働く権利を奪う、そういう法案を彼らは採択した」

「気候変動の危機に直面する中、保証されていた環境保護基準を取り去る法案を採択した」

スコットランド独立を掲げるスコットランド国民党(SNP)のイアン・ブラックフォード下院院内総務は、スコットランドは「独立したEU加盟国として留まるだろう」と強調した。

議会での演説でブラックフォード議員は、「これは憲政の危機だ。我々はこの事態を受け入れることも、そうするつもりもない」と述べた。

これに対しスティーヴ・バークリーEU離脱担当相は、離脱協定法案によって、イギリスを1月31日にEUから離脱させるという総選挙で保守党が得た「非常に大きな信任」を実現できると語った。

また、移行期間が短すぎるという意見もある中、年末までにEUと通商協定を結ぶ「自信」があると述べた。

ジョンソン首相もこれに同調し、移行期間の延長は考えていないとしている。その上で、1月末の離脱後「ただちに」交渉を始める準備があると述べた。

これについて欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は8日、2020年末までに包括的な通商協定を結ぶことは「不可能だ」と警告している。

(英語記事 MPs give final backing to Brexit bill