2020年01月13日 17:58 公開

BBCの司会者サミラ・アーメッド氏が、男女平等な給与を求めてBBCを相手に雇用審判所に訴えを起こし、同審判所は10日、アーメッド氏の主張を認める判断を示した。

視聴者の反応を受けながら進行する番組「ニュースウオッチ」の司会者をつとめるアーメッド氏は、自らの給与が、別の番組「ポインツ・オヴ・ヴュー」の司会者であるジェレミー・ヴァイン氏の給与と比べ、70万ポンド(約1億円)少ないと主張していた。

雇用審判所は全員一致で、アーメッド氏の仕事はヴァイン氏のものと同様だと認定。給与の差が性差別ではないと、BBCは証明できなかったと判断した。

「取材されるのでなく、したい」

この審判を受け、アーメッド氏は「解決してうれしい」とコメント。

さらに、「自分の雇用主を訴えたいと思う女性はいない」、「私はBBCのために働くことが大好きだ」と述べた。

また、「今後も仕事を続けることを楽しみにしている。取材されるのではなく、取材をしたい」と話した。


一方、BBCは今回の審判に対し、両司会者の給与は「性別によって決定したものではない」と改めて主張した。

また、「サミラと協力して前向きに進んで行く」とした。

男性司会者の給与は6倍

雇用審判所でアーメッド氏は、「そっくりな番組の司会をつとめ、そっくりな仕事をしているのに、女性である私の給与が、男性であるジェレミー・ヴァイン氏より極度に低いのが理解できなかった」と訴えた。

ヴァイン氏は、「ポインツ・オヴ・ヴュー」の司会者だった2008~2018年、1回の放送につき3000ポンド(約43万円)を得ていた。一方、アーメッド氏が「ニュースウオッチ」の司会者として受け取っていたのは、1回の放送につき440ポンド(約6万3000円)だった。


雇用審判所は、「給与の差はあまりに大きい。ジェレミー・ヴァイン氏には、原告が同じ仕事をして受け取っていた額の、6倍以上の給与が支払われていた」と述べた。

BBCは同審判所に対し、両司会者は「大きく異なる役割」を担っていたと主張。しかし同審判所は、BBCがそれを裏付けることができなかったとした。

「技術や経験と結びつかない」

今回の審判は、アーメッド氏が受け取る権利があると主張していた損害賠償を受け取るかは、明示していない。

審判はまた、「ポインツ・オヴ・ヴュー」の司会者は「目をきらきらさせ、厚かましくなることが求められたが、それが技術や経験と結びつくとするBBCの主張は理解し難かった」とした。

BBCの法務担当は、アーメッド氏の給与について、「ニュースウオッチ」の前任司会者レイ・スノディ氏と同等だと主張。アーメッド氏の給与はヴァイン氏とではなく、スノディ氏と比較すべきだと訴えた。

まだ多数の同様事案

ジャーナリスト全国労組によると、同様の訴え20件ほどについて、雇用審判所の手続きを進めているという。さらに、同労組が聞き取り調査をした時点で、70件ほどの未解決事案が存在したという。

BBCは、それらの事案の解決に努力してきたとし、その結果、件数は大幅に減ったと説明した。

(英語記事 Samira Ahmed wins BBC equal pay tribunal