2020年01月16日 13:16 公開

ロシアのドミートリー・メドヴェージェフ首相は15日、内閣が総辞職すると発表した。この数時間前には、ウラジミール・プーチン大統領が議会の権限強化に向けた抜本的な憲法改定を提案しており、プーチン氏が2024年の任期満了後も権力を維持する狙いがあるとみられている。

プーチン大統領がこの日、年次教書演説で発表した憲法改定案は、現在大統領に与えられている首相や閣僚の任命権を、議会へと移すことなどが柱で、最終的に国民投票で決定するとしている。

2018年の大統領選で再選を果たしたプーチン氏は、現在4期目で、2024年に任期満了を迎える。しかし、その後も陰で権力を維持しようとしているとの憶測が流れている。

ロシア政府筋はBBCの取材に対し、閣僚は内閣総辞職を事前に知らされておらず、「寝耳に水だった」と述べた。

「責任が増大する」

現行の憲法では、大統領が首相を指名し、下院の同意を得て正式に任命する。

プーチン大統領は憲法改定によって、首相や閣僚の任命における下院の「責任が増大する」と述べた。

また、プーチン氏は、自分が率いる国家評議会の役割拡大も示唆した。

改定案のそのほかの内容は以下の通り。

  • 国際法の優位性を制限
  • 大統領任期を「連続2期まで」から「最大2期まで」に変更
  • 他国の市民権や永住権などを持つ者が大統領候補になることを禁止する法律の強化

BBCのサラ・レインズフォード、モスクワ特派員は、プーチン大統領は安定を好む人だとした上で、内閣総辞職は大きな驚きだったと話す。

今回の動きは、任期満了後の権力基盤を固め、権力を拡大するというプーチン氏の大きな計画の一部のようだと、レインズフォード氏は考えている。

内閣総辞職

メドヴェージェフ首相は、国営テレビを通じて内閣総辞職を発表した。隣にはプーチン大統領の姿があった。

プーチン氏が提案した憲法改定について、メドヴェージェフ氏は、「これらの変更点が承認された場合、(中略)憲法全体にだけでなく、権力の均衡全体や執行権、司法権にも大きな変化をもたらすだろう」と述べた。

「こうしたことから(中略)現在の内閣は総辞職する」

プーチン氏はメドヴェージェフ氏のこれまでの仕事ぶりに感謝した一方で、「すべてのことが」達成されたわけでは「ない」と述べた。

プーチン氏は、メドヴェージェフ氏に対し、自分が議長を務める国家安全保障会議(NSC)の副議長への就任を打診した。

メドヴェージェフ氏の後任には、ミハイル・ミシュスチン連邦税務局長官が任命された。

陰の実力者

2008年から2012年までの間、プーチン氏は首相を、メドヴェージェフ氏は大統領を務めた。プーチン氏は首相だったにも関わらず、陰の実力者だと目されていた。

野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏は、憲法改定をめぐるいかなる国民投票も「くだらない詐欺行為」になるだろうとした上で、プーチン氏の狙いは「生涯、唯一の指導者」になることだと述べた。

ロシアで国民投票が行われたのは、1993年に当時のボリス・エリツィン政権下で憲法を承認したのが最後。

1999年のエリツィン氏辞任に伴い、プーチン氏は大統領代行を務め、2000年に大統領に就任した。以降、権力を握り続けている。

(英語記事 Russian government resigns as Putin plans future