2020年02月05日 16:33 公開

1998年長野五輪のフィギュアスケート・ペアのフランス代表で、2000年世界選手権銅メダリストのサラ・アビトボル氏(44)が、10代のころにコーチから性的暴行を受けたと告発した。フランスの検察当局は4日、捜査を開始したと発表した。

アビトボル氏は先月29日、自伝「Un si long silence」(こんなにも長い沈黙)を出版。その中で、元コーチのジル・ベイヤー氏に、15歳だった1990年に最初にレイプされ、1992年までレイプは続いたとつづっている。

アビトボル氏は仏雑誌「L'Obs」のインタビューで、「彼(ベイヤー氏)は、性的虐待につながる恐ろしいことを始めた」、「男の人に触られたのは初めてだった」と明かした。

アビトボル氏と競技パートナーのステファン・ベルナディス氏は、国内選手権で10度優勝したほか、ヨーロッパフィギュアスケート選手権で計7つのメダルを獲得した。

2000年の世界フィギュアスケート選手権では、フランスのペアスケーターとして約70年ぶりにメダルを獲得した。

「親密」で「不適切」な関係

ベイヤー氏はアビトボル氏との「親密」で「不適切」な関係を認め、「本当に申し訳ない」と述べた。

アビトボル氏はベイヤー氏の謝罪を拒絶し、(この犯罪を)隠蔽(いんぺい)した、クラブ側や連盟側、すべての人」の説明責任を求めると述べた。

複数スケーターが被害を訴え

フランスの検察は、捜査の一環として、他に被害にあった人がいないか調べるとしている。

アビトボル氏のほかにも、3人のスケーターが、未成年の時にベイヤー氏や別のコーチ2人から虐待やレイプをされたと告発している。告発されたベイヤー氏、ジャンロラン・ラクレ氏、ミシェル・ロッツ氏は、フランスのアイススポーツ連盟(FFSG)の職員。

ラクレ氏は疑惑を否定。ロッツ氏はコメントしていない。

若い選手に「深刻な行為」

ベイヤー氏はアビトボル氏の指導した後、フランス代表コーチに就任した。2000年代前半には、2度、不正行為の調査対象となった。

フランスのスポーツ省が行った2度目の調査では、ベイヤー氏が若いスケーターに「深刻な行為」を繰り返していたことが判明。同省は2001年、ベイヤー氏とのテクニカル・アドバイザー契約を打ち切った。

しかし、テクニカル・アドバイザーを解任された後も、ベイヤー氏はアイスホッケークラブ「Les Francais Volants」で仕事を続けた。また、2018年までの数年間、FFSGの執行部のメンバーだった。

連盟会長の捜査を

フランスのロクサナ・マラシネアヌ、スポーツ相は3日、FFSGのディディエ・ゲヤゲ会長への調査を求めた。ゲヤゲ氏は1998年~2004年、2007年~から現在まで、ほぼずっと会長職にとどまっている。

マラシネアヌ氏は、FFSGは「全体的な機能不全」にあったとしたうえで、ゲヤゲ氏には辞任する「人道的および個人的責任」があると述べた。

マラシネアヌ氏にはゲヤゲ氏を解任する権限はないが、ゲヤゲ氏が会長に留任するのであれば、連盟側は制裁を受けるだろうとしている。

ゲヤゲ氏は、辞任について「考える」だろうと述べた。同氏の記者会見は5日に開かれる見込み。

(英語記事 Prosecutors probe champion ice skater's rape claim