2020年02月06日 16:51 公開

昨年12月に発足したフィンランドのサンナ・マリン政権は5日、父親が取得できる育児休暇の期間を拡大し、母親と同じにする方針を発表した。父親が子供と接する時間を増やし、「幸福(ウェルビーイング)や男女共同参画を促進」するのが狙いという。

フィンランドのアイノ・カイサ・ペコネン社会問題・保健相は記者団に対し、最初から両親の関わりを強化することを目的とした「家族の利益についての抜本的な改革」が始まったと述べた。

フィンランド政府は、育休制度の変更に1億ユーロ(約120億円)の追加経費がかかるとみている。

マリン首相(34)は先月、同国はまだ、男女共同参画の実現のために努力が必要だとし、幼少期の子供と一緒に過ごす父親が少なすぎると不満を漏らしていた。

昨年12月以降、フィンランドの中道左派連立5党の党首は全員女性。マリン首相は、フィンランドで女性が政権を握ることは「たいした問題ではない」としている。

父親の育休取得を推し進める

現行制度では、母親が計4.2カ月の産休が取得できる一方、父親は子供が満2歳になるまでの間、計2.2カ月の育休が取得できる。それに加えて、両親で合わせて6カ月分の育休取得が認められている。

しかし、認められている期間を実際に取得している父親は、平均4人に1人だけだという。

新制度では、両親にそれぞれ、6.6カ月の育休取得が認められる。妊婦に認められる産休期間は1カ月延長される。

両親は、自分たちの割り当ての中から最大69日分を譲り合うことも可能になる。片親の場合は、両親に認められている休暇をどちらも取得できるようになる。

他の欧州諸国でも同様の動き

隣国スウェーデンでは、欧州で最も寛大な育児休暇制度が導入されており、産後、両親にそれぞれに最長240日の取得が認められている。

北欧の育休に関する調査を率いるノルウェーのオスロ大学のアンネ・リセ・エリンセター教授は、BBCの取材に対し、北欧諸国は、母親に譲渡できない育休資格を父親に与えるという点で先を行っていると述べた。 

欧州連合(EU)では、両親それぞれに少なくとも4カ月(そのうち2カ月は両親間での譲渡不可)の育児休暇を与える新規制案が2019年に可決。EU加盟国は3年以内に法制化する必要がある。

ポルトガルでは、すでに性別での区別がない制度を導入している。給与の全額が支払われる育休は計120日までで、追加でさらに計30日(給与支払い額は8割)取得できる。

成功しない国も

エリンセター教授は、北欧諸国では、父親の取得権限の拡大は完全に成功はしていないと述べた。

「ノルウェーは1993年に、母親への譲渡ができない父親の育休制度を初めて取り入れた国で、スウェーデンもそれに続いた。しかし、デンマークでは1998年に導入された父親の割り当て分が、後に廃止された。以降、再導入はされていない」

家庭に優しい政策

スウェーデン、ノルウェー、アイスランド、エストニア、ポルトガルは、ユニセフの昨年の報告書の中で、家庭に最も優しい政策を導入しているとして称賛されていた。

一方で、同報告書は、イギリス、アイルランド、ギリシャ、キプロス、スイスについて、31の「富裕国」の中で最下位だと評価した。

(英語記事 Finland to give dads same parental leave as mums