平野和之(経済評論家)

 最近、街中で大きな四角いリュックを背負って自転車で駆け抜ける人をよく見かけるようになった。

 そう、これは「Uber Eats」(ウーバーイーツ)と呼ばれ、配車アプリ世界最大手の米ウーバー・テクノロジーズが展開するフードデリバリーサービスだ。登録した配達パートナー(配達員)が、飲食店から料理を宅配するサービスで、日本でも加盟店と利用者は増えている。

 だが、新サービスにはトラブルはつきもの。配達された料理がこぼれたり、型くずれしたり、さらにはそうした料理の受け取り拒否といったトラブルが会員制交流サイト(SNS)などで相次いで報告されている。

 配達員側の「被害」も例外ではない。一部は改善されつつあるようだが、報酬や配達中の事故などによる労災、雇用保険といった保護が不十分だとして、昨秋配達員らが労働組合を設立して話題になった。

 スマートフォンの普及に伴う、先進的なサービスと働き方を提供するビジネスだけに、急速に拡大しているようだが、例によって筆者なりに問題点と課題を整理し、持続可能となる改善点などを提言したい。

 そもそもウーバー社の本業は配車アプリである。だが、さまざまな規制があり、日本では展開しにくい。海外同様に一般人がこれを展開すると、営業許可のないタクシー、いわゆる「白タク」となってしまい規制の対象になりやすい。日本でのタクシー業の規制緩和については、高齢化、人口減少などを理由に公益性の求められる分野においては、解禁されている。たとえば、病院までの送迎、過疎地の買い物用などだ。

 料理を飲食店から配達するウーバーイーツも本来は、軽トラックを使う個人運送業者の組合「赤帽」のようなシェアビジネスや、本格的なクラウドソーシング(不特定多数を募ってサービスを展開)をしたかったのだろうが、これもまた、運送関連法上、問題がなくはない。先に触れたが、過疎地においては、運送会社とバス会社が共同物流したり、タクシー会社が物流したりという規制緩和は起きているが、これをウーバーイーツのような業態まで規制緩和するような動きはないと思ってよいだろう。

 日本の場合、規制当局の「霞が関」が、物流、運輸、貨物の既得権益を守る側にあり、シェアエコノミーで天下り先が用意されなければ、規制緩和するメリットがない。これがよいかどうかは別にし、ウーバー社のビジネスは世界中で政治力が必要な業態になっており、その中でウーバーイーツは外食の宅配という抜け穴で勝負したと見えなくもない。
労働組合を結成し、記者会見する「ウーバーイーツ」の配達員ら=2019年10月、東京都渋谷区
労働組合を結成し、記者会見する「ウーバーイーツ」の配達員ら=2019年10月、東京都渋谷区
 言い方は悪いが、規制の緩い部分がウーバーイーツのような宅配代行である。物流なのに規制対象外で、すでに世界各国でウーバーイーツは一つのインフラとして機能している。だが、冒頭で触れたように、当然、問題も多くなってきている。

 配車ビジネスにしろ、フードデリバリーサービスにしろ、トラブルが起きやすい環境であることは否めない。