田中秀臣(上武大学ビジネス情報学部教授)

 会員制交流サイト(SNS)を使って発信する国会議員は多いが、「社会常識的にどうなのか?」と疑問に思う発言も多い。最近の動きとしては、やはり「反安倍」に取りつかれたような発言が目立つ。

 一例として、立憲民主党の阿部知子衆院議員のツイートを挙げよう。「加計学園は当初の華々しい売り込みに見合う体制を備えていない。そのことを質すと、まだ開設後二年で学生教育中と答弁したが、そもそも開設にあたって他の大学との連携や研究体制、取り分け医療との連携は不可欠で、ウイルスの分離や動物界での変異を追うことも必要である。国家戦略に見合う実態不在」というものだ。

 獣医学部なら他にも多くあるのだが、阿部氏が学校法人加計学園(岡山市)をことさら問題視しているのは、いわゆる森友・加計学園問題を蒸し返したい政治的思惑もあるのかもしれない。ただ、まだ開学して2年の大学だけに批判を集中させるのは適切ではない。

 そもそも、それほど新しい獣医学部に国家戦略的な観点から期待するならば、民主党政権の時代に獣医学部の新設認可を積極的に進めるべきだったのではないか。このように指摘すると、「立憲民主党と民主党政権は違う」というのが同党の公式発言だが、私見ではこれほど政治的に無責任な姿勢はないと思っている。

 「反安倍ありき」のような国会議員の態度は、別に野党だけのことではない。最近では、「文春オンライン」に掲載された自民党の石破茂元幹事長の発言にも見受けられる。

 「“ポスト安倍”支持率1位」だそうだが、石破氏はそのインタビューで首相主催の「桜を見る会」について、安倍晋三首相が率直に丁寧に謝罪すれば、これほど批判が拡大しなかった、ともっともらしい発言をしている。ただ、安倍首相は国会で、「桜を見る会」に対し国民が疑念を抱いたことを率直に謝罪している。
新年を迎え、万歳する自民党の石破元幹事長=2020年1月1日、鳥取市
新年を迎え、万歳する自民党の石破元幹事長=2020年1月1日、鳥取市
 石破氏の「ポスト安倍」としての人気は、私見では反安倍勢力から大きな支持を得ている。自民党支持層よりも、むしろ野党支持層での人気が高そうだ。

 反安倍の姿勢は、彼の人気を支える層に強くアピールするだろう。それだけの話なのだが、石破氏の発言に代表されるように「桜を見る会」の話題は全く収まることはない。