2020年02月11日 14:00 公開

アイルランドで下院(定数160)の総選挙があり、11日未明に結果が確定した。共和党(フィアナ・フォイル)が38議席を獲得して第1党となり、シン・フェイン党が1議席差で2位に入った。同党にとっては、歴史的な躍進となった。

僅差の選挙結果からは、連立政権の樹立に向けた協議が長期にわたることが予想される。

アイルランド共和軍(IRA)の政治組織だったシン・フェイン党は、前回の2016年総選挙より14議席多い37議席を獲得した。

同党のメアリー・ルー・マクドナルド党首は、「投票箱で革命的なことが起きた」と選挙結果について語った。

緑の党も過去最多

選挙前は第1党だった統一アイルランド党(フィナ・ゲール)は、4年前より15議席減らし、35議席にとどまった。レオ・ヴァラッカー党首が首相をつとめていた内閣は退陣する。

共和党は第1党になったものの、前回総選挙よりは6議席少なくなった。

緑の党も前回の2議席から12議席へと大きく伸ばし、同党の最多議席を記録した。


「深刻な不一致」

選挙前は共和党、統一アイルランド党とも、シン・フェイン党との連立を否定。税制に関する政策とIRAの政治組織だった過去が障壁になっているとしていた。

ヴァラッカー首相は9日、政権樹立は「苦労する」との考えを表明した。

共和党のミホル・マーティン党首は、シン・フェイン党との協力を除外しなかったものの、「深刻な不一致」がなお存在すると述べた。

「新たな政府求めている」

シン・フェイン党のマクドナルド党首は、政権に加わりたい意向を表明。10日夕の時点で、共和党、統一アイルランド党のどちらからも連絡はないとした一方、労働党や緑の党、他の少数党と対話していると述べた。

マクドナルド氏はダブリンで記者団に対し、「国民は別の政治、新たな政治とよりよい政府、新たな政府を求めている。その中心となるのがシン・フェイン党だと信じている」とし、「私が次の首相になるかもしれない」と述べた。


マクドナルド氏はまた、BBCの番組「ニューズナイト」で、憲法改定が近づいているとの考えを示した。

「ベルファスト合意(聖金曜日合意)でイギリスは譲歩した。ここでの存在感は、単に同意に基づいている」

「その同意は、アイルランド統一についての住民投票によってのみ判定し得る。そして私たちは統一についての住民投票を実施する。整然と思慮深く民主的で、完全に平和的な方法で」

シン・フェイン党、なぜ躍進?

左派のシン・フェイン党の躍進は、住宅不足や家賃高騰、ホームレスの増加など、長年にわたって中道右派の与党・統一アイルランド党を悩ませてきた問題をめぐる国民の怒りを、うまく得票につなげたことが理由だとする分析が出ている。

アイルランドは今年、欧州連合(EU)で最も速い経済成長をみせると予測されているが、与党に有利には働かなかった。

ブレグジット(イギリスのEU離脱)は、選挙運動でほとんど話題にならなかった。

イギリス・北アイルランドで、シン・フェイン党と連立政権を組んでいる民主統一党(DUP)のアーリーン・フォスター党首は、若者が「抗議票」としてシン・フェイン党に投票したとの見方を示した。

フォスター氏はまた、「北アイルランドにすれば、アイルランドで誰が政権を握ろうと、協力していくしかない」とBBCニュース・北アイルランドに述べた。

(英語記事 Fianna Fáil largest party but Sinn Féin celebrate