2020年02月14日 12:30 公開

イギリスのボリス・ジョンソン首相は13日、内閣の新しい顔ぶれを発表した。主要メンバーのほとんどが続投となる中、サジド・ジャヴィド財務相が辞任を表明し、波乱含みの内閣改造となった。

イギリスでは昨年12月に総選挙があったが、ジョンソン首相は今年1月31日の欧州連合(EU)離脱まで新たな組閣を延期していた。

ジャヴィド氏は続投が決まったものの、補佐官チームを解任するよう首相に求められ、これを拒否。「本物の閣僚」はこのような条件を受け入れることはできないとして辞任した。

ジャヴィド氏の後任には、リシ・スーナク財務省首席政務次官が決まった。

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ジャヴィド氏はテリーザ・メイ前政権で内相を務めた後、昨年7月のジョンソン首相就任時に財務相となった。

イギリスでは、財務相が首相の右腕として政策を支える。今年3月には、自身初となる新年度予算案の発表を控えていた。

一方で、ジョンソン首相の上級顧問を務めるドミニク・カミングス氏と折り合いが悪かったと報じられている。

ジャヴィド氏は、自身の補佐チームはこれまで「非常に懸命に」働いており、入れ替えには応じられなかったと説明。「辞任以外の選択肢はないと思った」と述べるとともに、スナーク氏をはじめとする新内閣を「全面的に支援する」と話した。

「政権の制御を優先」

最大野党・労働党のジョン・マクドネル影の財務相は、ジャヴィド氏の辞任は「たった2カ月しか政権にないのに、危機にある政府にとっては歴史的な記録だろう」と述べた。

「ドミニク・カミングスは明らかに、財務省を完全にコントロールし、財務相に手下を送り込む戦いに勝ってしまった」

首相官邸は、今後は首相と財務相に共同の経済顧問チームを付けるとしている。

BBCのローラ・クンスバーグ政治編集長は、「財務相を失うのは決して小さくない出来事だが、首相官邸は有能な人物をとどめるより、政権の制御を優先したようだ」と分析。

敵対派閥が財務相に異なる政治的助言を与える機会を作るよりは、ジャヴィド氏の辞任を受け入れ、権力を集中させる方を取ったと説明した。

女性閣僚は6人、非白人は4人

第2次ジョンソン内閣では、プリティ・パテル内相、ドミニク・ラーブ外相、マイケル・ゴーヴ内閣府長官兼ランカスター公領相、ベン・ウォレス国防相、リズ・トラス国際貿易相、マット・ハンコック保健相、グラント・シャップス運輸相、ジェイコブ・リース=モグ下院院内総務、マーク・スペンサー下院院内幹事長が続投となった。

また、ブレグジット(イギリスのEU離脱)に伴い解体されたブレグジット省のスティーヴン・バークリー氏は財務相首席政務次官に就任。ビジネス相にはアロク・シャルマ前国際開発担当相が任命された。

一方、アンドレア・レッドソム前ビジネス相とエスター・マクヴェイ前住宅担当相は内閣から外れた。

今回の内閣改造では、新たに3人の女性議員が閣僚となったものの、全体では1人減って6人となった。非白人を表すBAME(黒人、アジア人および少数民族)の閣僚は、スーナク財務相とパテル内相、シャルマ・ビジネス相、スエラ・ブレイヴァーマン法務長官の4人だった。

ジョンソン首相はまた、先に最終決定したイングランドの南北を結ぶ高速鉄道「ハイスピードツー(HS2)」の敷設計画について、担当相を任命する方針を明らかにしている。

(英語記事 Sajid Javid quits as chancellor / Cabinet reshuffle: Who is in Boris Johnson's new cabinet?