そんな中でも、週明けの国会論戦は首相主催の「桜を見る会」問題で明け暮れた。ただ一つ気を吐いたのが、馬淵澄夫元国土交通相の経済政策に関する質疑であった。馬淵氏は、安倍晋三政権の経済見通しが過度に楽観的であることを指摘した。

 それに対して、安倍首相の答えは残念ながら官僚答弁のような楽観的なシナリオに基づいたものであった。特に2014年の増税時に比べ、消費の落ち込みが少ないことを指摘するものだった。

 確かに、速報値では消費に関しては前回ほどの落ち込み(年率18%減)は観測されていない。だが、それは14年の税率引き上げが3%で、19年は2%と、そもそも引き上げ幅に見合う形での変化にしかすぎない。

 注目すべきは、6年前もそうだったように、消費増税対策が今回も全く有効に作用していないことだ。前回の消費増税対策の失敗は教訓として何ら活用されていないといっていい。

 前述の通り、消費だけ取れば、前回よりも影響は小さい。ただしその後、消費はほぼ2年半にわたって落ち込み、さらに経済の低迷を誘導し、雇用改善のペースさえも鈍化させた。

 単純に推論すれば、今回も1年半ほどは消費低迷に陥るかもしれない。しかも、問題は他の需要項目が前回よりもはるかに悪いことにある。

衆院予算委で、立憲民主党の辻元清美氏へのやじを飛ばした問題について謝罪する安倍首相=2020年2月17日
衆院予算委で、立憲民主党の辻元清美氏への
やじを飛ばした問題について謝罪する
安倍首相=2020年2月17日
 設備投資の前回を上回る大幅な落ち込みは、不況に直結する可能性がある。輸入の弱さも、これは内需の弱さの表現である。これらを見ると、現状では少なくとも前回並み、最悪であれば前回以上の経済低迷をもたらす可能性が高い。

 総需要全般の落ち込みは、もちろん不況局面入りをさらに進めてしまうだろう。雇用状況も、今はまだ堅調だが、やがて製造業やサービス業などで大きな調整が始まる可能性がある。