2020年02月21日 11:38 公開

韓国当局は20日、国内での新型コロナウイルスへの感染が急増する中、新天地イエス教証しの幕屋聖殿(新天地イエス教会)が感染の温床になっていると発表した。同国ではこの日、新型ウイルスによる初の死者が出た。

人口約250万人の南東部・大邱市における、新天地イエス教会の集団感染は、1人の女性から始まったとされる。

20日に新たに確認された症例53件のうち30件を、同教会信者が占めた。当局は、前代未聞の危機だと警告している。

韓国での感染者数は20日の時点で合わせて104人となった。

新たな症例は、首都ソウルや、慶尚北道近郊でも報告されている。

韓国の地図。感染が確認された首都ソウル(Seoul)、大邱(Daegu)、慶尚北道清道郡(Cheongdo)

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中国・湖北省で発生した新型コロナウイルスは、肺炎のような症状を引き起こす。

中国での死者は2118人に達し、感染者数は7万5000人近くに上っている。

日本政府は20日、新型ウイルスの集団感染が確認され、横浜に停泊中の大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセンス」に乗船していた、80代の日本人の男女2人が死亡したと発表した。

新天地イエス教会での集団感染

韓国保健当局は、新天地イエス教会での集団感染について、今週初めに新型ウイルス陽性と確認された61歳の女性が関係しているとみている。

韓国の疾病予防管理局(KCDC)は、この女性(名前はわかっていない)と接触した166人に対し、自主隔離するよう指示したとしている。

新天地イエス教会は、カルト集団と形容されている。現在は大邱市の支部は閉鎖され、他の複数地域で礼拝がオンラインあるいは各自自宅で行われる。

大邱市の市長は、集団感染は「前代未聞の危機」だとした上で、市民に対し、屋内にとどまるよう求めた。近くの米軍基地の司令官も、立ち入り制限措置を取ったと、AFP通信が報じた。

韓国初の死者

こうした中、韓国当局は、南東部・清道郡の病院に入院していた男性(63)が、19日に肺炎で死亡したと発表した。新型ウイルス感染による肺炎だったとされる。男性の名前は公表されていない。

入院先の病院では、この男性を含む15人が新型ウイルス陽性と確認されていた。

聯合ニュースによると、男性はこの病院で20年以上寝たきりだったという。

新天地イエス教会とは

  • 韓国人のイ・マンヒ氏が1984年に創設した宗教団体
  • 現在80代のイ氏は、自分は聖書に記されている「約束された牧師」だとしている
  • 信者は、イ氏は再誕のイエス・キリストだと教え込まれている
  • 報道によると、世界中に12万人以上の信者がいる
  • カルト集団と形容され、複数の国で議論に巻き込まれている

ダイヤモンド・プリンセスの最新状況は

乗客乗員約3700人を乗せたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセンス」では19日、14日間にわたる船内での隔離が終了し、ウイルス検査で陰性だった乗客が下船を開始した。

これまでに数百人が下船した。ほかの人々は21日までに下船する予定。

オーストラリア人の乗客150人以上は、チャーター機でダーウィンに到着。今後、2週間の隔離措置を受けることとなる。

香港の乗客を乗せたチャーター機の第一便も、市内に到着した。オーストラリアと同様に、隔離措置が取られるという。

イギリスのドミニク・ラーブ外相は、船内に取り残された英国人について、21日にも退避機に搭乗できるとしている。ただし、感染の症状が現われていないことが条件という。

インドネシアもまた、同国民を帰国させる予定だ。

そのほかの動き:

  • 予防措置として、中国人のロシアへの入国が20日から禁止となった
  • オーストラリアは中国への渡航歴のある外国人の入国禁止措置を2月29日まで延長
  • ウクライナ中心部の住民は、中国から飛行機で退避し、隔離措置を受けるためにバスで移動して来る人々を阻止しようと、道路を封鎖した

中国の状況は

中国は、19日に新たに114人が死亡したと発表。一方で1日あたりの感染者数は、前日の1749人から減少し、394人だった。

ダイヤモンド・プリンセスや、シンガポール、韓国、香港など中国大陸以外では、1000人以上の感染が確認されている。

イランは19日、コムで新型ウイルス患者2人が死亡したと発表した。中東での死者は初めて。

香港は19日、基礎疾患を抱える70歳の男性が死亡したと発表。香港での死者は2人目。

日本では3人が、フランス、フィリピン、台湾では各1人の死亡が報告されている。

(英語記事 South Korean sect identified as coronavirus hotbed