
2020年02月24日 17:10 公開
北朝鮮は新型コロナウイルスの流行を食い止めるため、外国人380人を隔離した。韓国の通信社・聯合ニュースが24日、北朝鮮の国営ラジオ局・朝鮮中央放送を引用して伝えた。
報道によると、隔離の対象となった外国人のほとんどは、平壌にいる外交官だという。
すでに約200人の外国人が過去30日間、居住区から出ないよう指示されていた。その期間が終了するタイミングで、隔離が延長された格好だ。
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北朝鮮では、新型ウイルスによる病気COVID-19の患者は報告されていない。ただ、中国と国境を接していることから、感染拡大の恐れは明らかに出ている。
今回の隔離がいつまで続くのかは不明。
北朝鮮は入国する外国人全員の30日間の検疫を義務付けている。
同国の外国人は比較的少ない。専門家によると、欧米人は200人ほどしかいないという。
同国当局は、毎年世界各国からの参加がある平壌マラソンを中止した。国営メディアによると、中国と接している北西部の平安北道では、発症の疑われるとされる住民約3000人が観察対象になっているという。
韓国で感染拡大続く
韓国では新型ウイルスで7人が死亡、763人の感染が確認されている。軍関係者11人の感染が確認されてからは、将兵など約7700人が隔離されている。
中国で発生した新型ウイルスは、少なくとも29カ国に感染が拡大。ヨーロッパではイタリアが152人で、感染者が最も多い。
イランは感染者43人で、死者が8人に上っている。
武漢市外への移動許可へ
新型ウイルスの流行が発生した中国湖南省武漢市では、隔離の対象となっていなかった、無症状で健康な市外在住者が、同市から出ることが認められる予定だ。
治療が必要な人を含め、特別な理由がある人も、市外への移動が認められる見通し。
市外に出る場合は事前の申請が必要で、14日間は健康観察が義務付けられる。
武漢市は1月23日から封鎖状態に置かれ、市外との交通も遮断されている。
パンデミックの初期段階か
中国大陸では新型ウイルスで2500人以上が死亡。感染者は7万7150人ほどとなっている。
BBCのファーガス・ウォルシュ医療担当編集委員は、韓国、イラン、イタリアの状況を総合すると、現在はパンデミック(世界的流行)の初期段階であることがわかるとした。
また、もしパンデミックとなった場合でも、流行の速度を抑えるのが重要だろうと指摘。気温が暖かくなれば、季節性のインフルエンザと同様、ウイルスが空気中で生きている時間が短くなる可能性があるが、確実にそうだとはいえないとした。