
2020年02月25日 12:51 公開
英イングランドで洪水被害が続いている。24日には100件以上の洪水警報と200件以上の洪水注意報が発令され、中部シュロップシャー州では浸水被害が多数報告された。
同州アイアンブリッジやシュローズベリーでは、命の危険がある「深刻な洪水被害」が発令され、水位が「前例のない」高さまで上昇した地域もあった。
イギリスでは2週間前に暴風雨「キアラ」が、1週間前に暴風雨「デニス」が上陸。洪水被害が相次いでいる。
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英環境省の政府外公共機関・環境エージェンシー(EA)によると、西部ウェールズの山間部に降った大雨が、シュロップシャー州を流れるセヴァーン川の増水につながっている。
この大雨により、ウェルシュ・ブリッジでの水位は25日に5.2~5.5メートルと、観測史上最高に達する見込みだ。
この雨は向こう48時間は続く見込みで、シュローズベリーの浸水被害も拡大するとみられている。
23日夜には、シュローズベリー各地で土のうを積むなどの対策が施された。また、市職員が住宅を巡回しているほか、コールセンターや避難所を設置している。
またウエスト・マーシア警察は、セヴァーン川が氾濫(はんらん)する危険があるとして、24日夜にアイアンブリッジに住む市民約40人に避難を勧告したと明らかにした。
テルフォード・アンド・レッキンの市役所はツイッターに、24日午後3時の様子だと、増水した川の様子を投稿した。
https://twitter.com/TelfordWrekin/status/1231973485766991874
EAのキャロライン・ダグラス危機管理担当は、「洪水は多くの人の生活に長く続く壊滅的な打撃を与える」と話した。
「川の水位は依然として高く、セヴァーン川沿いの地域、とくにシュローズベリーやビュードリー、アイアンブリッジなどでは浸水への警戒が必要だ」
セヴァーン川は2000年10月末にも過去50年で最高の水位に達し、シュローズベリーなどに洪水を引き起こした。
川沿いに住むキャロル・カルカットさんは、「とても心配している。窓の外を見ると、川の水がさざなみのように上がってくるのが実際に見える。またしてもとても速く動いているようだ」と話した。
イングリッシュ・ブリッジの近くに住むデビー・ブラッドベリー=ウォーカーさんは、高さ高さ約2.4メートルの貯蔵室が水であふれただけでなく、地上1階も約10センチ浸水していると話した。
「ここに住んで5年になるが、こんな風に浸水して家の中に入ってきたのは初めて」だと言う。
「排水溝は満杯だが、幸いにしてまだ電気は来ている。もし避難が必要なら、その手段は確保してある」