2020年02月27日 11:41 公開

新型コロナウイルスの感染が欧州でも拡大する中、英ロンドンの3企業が、感染予防策として、従業員に在宅勤務を促している。

石油大手シェブロンは、約300人のスタッフに対し、「当面の間」カナリー・ワーフのオフィスに出社しないよう求めている。

シェブロンと同じビルにオフィスを構えるクロスレイルや、ロンドン中心部にあるメディア企業OMDもまた、スタッフに会社に来ないよう求めている。

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カナリー・ワーフ地域を管理する不動産会社は、こうした企業は「十分な警戒感」を持って対応していると示唆した。

この不動産会社は、テナントに対し、 感染の疑いのあるケースのほとんどが陰性であることから、従業員を帰宅させる必要はないとする、英イングランド公衆衛生局(PHE)のアドバイスに従うよう「強く勧めた」という。

PHEは、新型ウイルスの感染が確認された場合でも、職場を閉鎖することは推奨していないとしている。

イギリスでは、今年1月に新型ウイルスの感染が中国国外へ拡大して以降、7132人のウイルス検査が行われた。このうち、集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・クルーズ」を下船した4人を含む、13人が陽性だった。

従業員がウイルス検査

オムニコム・メディア・グループのOMDは、オーストラリアからシンガポール経由で帰国した従業員1人から、何らかの症状が現われていると報告を受けたという。

同社は、新型コロナウイルスに感染している可能性はごくわずかだとしつつ、同社スタッフに対し、「当該従業員のウイルス検査の確定的な結果が確認されるまで、予防措置として」自宅で仕事をするよう求めたという。

クロスレイルやOMDは、在宅勤務の対象人数は明かさなかった。

イタリア滞在の従業員が欠勤

シェブロンによると、複数の従業員が先週末、スキーをするためイタリアに滞在し、24日に仕事に戻ったという。イタリアは、欧州での新型ウイルス感染のホットスポットになっている。

その後、従業員は具合が悪くなり始め、翌25日に欠勤したという。英国民保健サービス(NHS)のアドバイスに従い、この従業員はウイルス検査を受けるため、病院へ症状を通知した。現在は検査結果が出るのを待っているという。

シェブロンは、状況の綿密な観察を継続していく考えだが、その間、従業員が新型ウイルスに「さらされるリスク」を軽減するための予防措置を講じているという。

イギリス国内のその他の最新状況

  • 新型コロナウイルス検査の実施件数が増えている。こうした検査は、感染が拡大しているかどうか、当局の早期警戒につながる
  • 雇用主に対し、自主隔離を求められているスタッフは病気休暇を取得する資格があるとするガイダンスが送付された
  • 複数の学校が、生徒が休暇中にイタリア北部へスキー旅行に行ったことを受け、生徒を帰宅させたり、学校を閉鎖したりしている
  • ブリティッシュ・エアウェイズは、新型コロナウイルスの発生により「需要が減少」したとして、イタリア・ミラノ行きの運航を一部中止した

他の複数企業でも、スタッフを感染リスクから守るための予防策を講じている。

英BPは、さらなる通達があるまで、中国、香港、日本、韓国、シンガポールへの必要不可欠ではない出張を延期している。米投資銀行ゴールドマン・サックスは、感染の影響を受けている地域から戻ってきたスタッフに対し、症状がない場合でも自主隔離するよう求めている。

英産業連盟(CBI)ジョシュ・ハーディ事務局次長は、「状況が急速に発展する中で、企業側は潜在的なリスクを留意するだろう。企業は、起こりうる経営への影響と同様に、従業員の健康を、まず最初に考慮しなければならない」と述べ、企業は政府の公式ガイダンスを順守すべきだとした。

呼吸器疾患「COVID-19」を引き起こす新型コロナウイルスは、世界中に混乱をもたらしている。中国の企業や工場では1月以降、混乱が続いているほか、イギリスを含む複数の国に感染が広がっている。

WHOは、新型ウイルスに感染した4万4000人からのデータを基に、感染者の症状について次のように推計している。

  • 感染者の81%に軽度の症状が現われる
  • 感染者の14%に重度の症状が現われる
  • 感染者の5%が重症になる

マット・ハンコック保健相は25日、封鎖されているイタリアの町から帰国したイギリス人について、症状がなくても自主隔離すべきだと述べた。

病気にかかった労働者は、 法定疾病給付金を受け取る資格がある。しかし、病気ではないのに出社しない場合には給付金は受け取れないと、法律で定められている。

(英語記事 London firms send staff home amid coronavirus fear