2020年02月27日 15:29 公開

イギリス王室のサセックス公爵ハリー王子は26日、エディンバラで行われた観光イベントでの演説で、単に「ハリー」と呼んでほしいと話した。

イベントの司会を務めたアイシャ・ハザリカ氏はハリー王子を紹介した際、「彼ははっきりと、私たちに単にハリーと呼んでほしいと話した」と説明した。

ハリー王子と妻のメガン妃は1月、「主要王族としての公務から距離を置く」意向を発表。エリザベス女王をはじめとする王室関係者による協議の結果、3月に王族としての公務から退くことが決まった。

これまで公爵夫妻は「HRH, His/Her Royal Highness(殿下)」の敬称で呼ばれていた。公務引退後もこの敬称は保持するものの、積極的に使用しないことが決まっている。

また、ハリー王子は今後もPrince(王子)であり続けるが、今後は「サセックス公爵ハリー」あるいはスコットランドで保持する「ダンバートン伯爵」と呼ばれることになる。

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この日の演説でハリー王子は、観光業の成長により、世界で最も美しい場所が破壊されつつあると警告。

「旅行は良いものだと思う。人間の経験や文化のつながり、新しい友情などの中心にあるものだ」と話した一方、「より多くの地域社会が疲弊し、海岸が汚染で閉鎖され、野生動物が元の住みかから追われていく」可能性があると話した。

「結果として地域に大きな影響を与え、観光業の機会を失うことになる」

公爵夫妻は今後、息子のアーチーちゃんと共に、イギリスとアメリカを行き来しながら生活し、慈善事業などを行っていく。

一方、公務に就くのと引き換えに受けていた公的資金を受け取らない一方、エリザベス女王の正式な代理を務めることもなくなる。

さらにイギリスでの居宅として持ち続けるロンドン近郊の「フロッグモア・コテージ」について、改修費として公的資金から拠出された240万ポンド(約3億4000万円)を返済する方針だ。

先には、公爵夫妻が今後の活動で「ロイヤル(王室)」という単語を使用しないことや、「サセックス・ロイヤル」という商標登録を破棄することが明らかになった。


<解説> 2年前とは大違い ――アンジー・ブラウン、BBCスコットランド

2018年2月の寒い日、エディンバラ城へと続く道で、ハリー王子は何百人もの人たちから歓迎を受けた。

この年の5月に決まっていたメガン・マークルさんとの挙式を前に、多くの人がお祝いに駆けつけたのだ。

ハリー王子とその婚約者は、人々と友情の握手を交わし、穏やかに会話した。

あまりにも人々が前に押すので、ある女性の上に柵が倒れてしまうのではないかとハリー王子が心配する場面もあった。

子どもたちは王族に会った「興奮」を語り、ハリー王子が群衆に赤毛を見つけて冗談半分に敬意を表したと話す人もいた。ハリー王子はある女性に、この日出会った中で一番温かい手をしていると話しかけた。

しかし、それから時間を2020年2月に早送りすると、状況は大違いだった。天気は非常に似ていたが、メガン妃の姿はなく、エリザベス女王の孫を歓迎する人々も多くなかった。

ハリー王子は25日、野球帽とジーンズ姿でウェイヴァーリー駅に到着したのが目撃されている。この時は、自分でかばんを持ち運んでいた。

翌26日、イベントが行われたエディンバラ国際会議センターに彼を待つファンはいなかった。

イベント会場では端の方に座り、参加者とハグやキスであいさつを交わしていた。

カジュアルな開襟シャツ姿のハリー王子は、短い演説を終えると自分の席に戻り、他の登壇者の話を注意深く聞いていた。

このイベントでは、ハリー王子は単に観客のひとり、観光業従事者の代表のひとりに過ぎなかった。


(英語記事 'Just call me Harry', prince tells conference / Harry and Meghan to end use of 'SussexRoyal' brand