2020年02月28日 12:28 公開

シリア「政権軍」は27日、反体制派の最後の拠点となっている北西部イドリブ県を空爆し、トルコ軍の兵士29人以上が死亡した。トルコ当局者が明らかにした。

トルコ南部ハタイ県のラフミ・ドアン知事によると、負傷者も多数出ている。死者は30人以上との情報もある。

トルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領は、最高レベルの安全保障会議を緊急開催。トルコ軍は、シリア軍と政府の施設を対象に報復攻撃を開始した。

ロシアの支援を受けているシリア軍は、トルコ軍が後ろ盾となってる反体制派からイドリブ県を奪回しようと攻勢に出ている。この日の空爆は、反体制派が政権軍からサラケブ市を奪回したと宣言した後に実施された。

シリア当局は公式コメントを出していない。


エルドアン氏はシリア政権軍に対し、トルコ軍が設置した軍監視所付近から、2018年に合意した停戦ラインまで撤退するよう要求。シリア政権軍が侵攻を続ける場合は、攻撃を実施すると脅していた。

しかし、シリア政府とロシアはこの要求を拒絶。ロシアはトルコについて、砲撃によって反体制派を支援し、2018年の停戦合意に違反していると非難してきた。


イギリスに本部を置くシリア人権監視団は、今回の空爆によるトルコ軍の死者は34人以上だとしている。

トルコ国営アナドル通信は、政府の広報責任者の話として、トルコ軍は「仕返し」を決定し、「把握しているすべての」シリア政府関連施設を空と地上から攻撃していると伝えた。

トルコ政府は、メブルト・チャブシュオール外相が、加盟する北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長と話をしたとしている。

新たな危険局面

BBCワールドサービスのセバスチャン・アシャー中東編集長は、トルコとシリアの直接衝突は新たに危険度の高い局面に入ったと説明。

背景にはトルコとロシアがシリアで別々の組織を支援していることがあり、ここ数年は停戦合意が成立していたが、その現実的な関係が危うくなったとしている。

また、シリア軍を強力に支えるロシアの空爆力がトルコ軍に向けられているのであれば、新たに重大な危険要因を生むと解説した。

イドリブ県では、戦闘の激化により昨年12月以降、約100万人の住民らが避難している。国連は全面衝突が起これば「流血の大惨事」になるとしている。

国連安全保障理事会には、人道上の理由からシリア北部での停戦を求める声が出ているが、ロシアが反対している。

ベルギーとドイツは、民間人の殺害を終わらせる必要があると声明を発表。これに対しロシアの大使は、唯一の解決法は「テロリスト」をシリアから追い出すことだと述べた。

(英語記事 Air strike in Syria's Idlib kills 29 Turkish troops