2020年03月02日 11:23 公開

米大統領選の民主党候補者を目指していたピート・ブタジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長(38)が1日夜、選挙戦から離脱すると表明した。

地元インディアナ州サウスベンドで支持者を前にしたブタジェッジ氏は、「道筋が狭まって閉ざされた」と撤退を発表。その上で、今年11月の本選で民主党候補が確実に勝つよう「自分にできることは全てする」と協力を約束した。

「選挙のこの時点では、私たちが目指した目標に忠実であるためには、脇に退き、党とこの国の団結のために協力することが、最善の方法だ」とブタジェッジ氏は述べ、「なので私は今夜、大統領を目指す選挙戦を停止すると、困難な決断に達した」と発表した。

ブタジェッジ氏はアメリカで初めて、同性愛者だと公表しながら、主要政党の大統領候補指名を目指していた。

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選挙戦初戦のアイオワ州党員集会で、大方の予想に反して勝利し幸先のよいスタートを切ったが、その後に失速。2月28日のサウスカロライナ州の予備選では大差で4位に終わり、代議員を獲得できなかった。

3日には14州で予備選が開かれるスーパー・チューズデーが控えている。これを目前にしたタイミングでの離脱表明となった。

スーパー・チューズデーでは、左派のバーニー・サンダース上院議員が候補者指名へと大きく近づく可能性がある。

サウスカロライナ州の予備選後には実業家トム・スタイヤー氏も候補者争いからの撤退を表明。ブタジェッジ氏の撤退で、残りは6人となった。

スーパー・チューズデーでは、大富豪の実業家で元ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏が初めて候補に加わる。

支持を広げられず

ブタジェッジ氏は、従来の候補とは大きく異なる人物だった。

政治経験は、全米で306番目に大きい都市サウスベンドで2012年から今年1月まで中道派として市長を務めただけだった。それ以前は米海軍の情報将校で、アフガニスタン戦争に従軍した。

大統領選に立候補した初のミレニアル世代(1980年代初めから2000年代初めに生まれた世代)で、もし大統領に選ばれたら米史上で最年少だった。

マルタ系移民の息子で、全国的には無名ながら、以前から2020年大統領選への出馬が取りざたされていた。実際に昨年4月に出馬を表明すると、一気に注目を集め、国民的な認知度も高まった。

33歳の時点で同性愛者だと公表し、2018年6月には同性婚もしている。アイオワ州の党員集会で予想外の善戦をした影響もあり、最近では保守派の間からその性的指向を批判されていた。

たとえば保守派のラジオ司会者ラッシュ・リンボー氏は、「ステージで夫にキスする」男性を有権者は選ぶのか、と問いかけていた。リンボー氏にはドナルド・トランプ大統領が2月始め、アメリカで文民に対する最高の栄誉「自由勲章」を授けている。

ブタジェッジ氏はさらに、アフリカ系アメリカ人の支持を拡大できなかったことが、サウスカロライナ州での悪い結果につながった。

ブタジェッジ氏は市長時代、サウスベンド市初のアフリカ系アメリカ人の警察トップを解任。昨年は、白人警官が黒人を射殺した事案の扱いをめぐって批判を浴びた。

BBCのアンソニー・ザーカー北米担当記者は、ブタジェッジ氏は白人が多数派の小規模の州では好成績を出した一方、人種がより多様な州では民主党員の支持を得られなかったと説明。

スーパー・チューズデーを前に撤退を表明したのは、ジョー・バイデン前副大統領との票の奪い合いを避けることで、サンダース氏と対決するバイデン氏を支援する目的があったからだろうと、ザーカー記者はみている。

(英語記事 Pete Buttigieg to drop out of White House race