2020年03月02日 12:47 公開

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて日本銀行は2日、「適切な金融市場調節や資産買い入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく方針」だという異例の談話を発表した。

黒田総裁は談話で、「最近の内外金融資本市場では、新型コロナウイルス感染症の拡大により経済の先行きに対する不透明感が強まるもとで、不安定な動きが続いている」と指摘した。

さらに、「日銀としては、今後の動向を注視しつつ、適切な金融市場調節や資産買い入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく方針である」とした。

東京株式市場は先週の株価急落に続き、週明け2日も日経平均株価が前週末に比べて290円超値下がりし、2万1000円台を割り込んで取引が始まっていたが、総裁談話を受けて買い戻しが続き、先週末比234円91銭高の2万1377円87銭で午前の取引を終えた。終値の日経平均は、前営業日比201円12銭高の2万1344円08銭と6日ぶりに反発した。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に対する懸念から、先週の各国市場では5兆ドル以上の資産が失われた。

日銀総裁の談話からは、資金供給のための手段をまず駆使してから、他の手段を検討しようという姿勢がうかがわれる。

これに先駆けて2月28日には、アメリカの中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が緊急声明を発表し、「アメリカ経済の基礎的な条件は強いままだが、新型コロナウイルスが経済活動のリスクになる」、「景気を下支えするためにFRBは適切に行動する」と述べて、追加の利下げの可能性を示唆していた。

中国国家統計局が2月29日に発表した経済統計によると、2月の工業購買担当者景気指数(PMI)が製造業、非製造業とも過去最低になったことが明らかになった。リーマン・ショック直後の2008年11月を下回った。新型ウイルスが世界第2位の経済大国に与えている影響のほどをうかがわせた。

週末にかけては米トランプ政権の幹部が相次ぎ、景気後退への不安を鎮めようと発言を続けた。米政府の新型コロナウイルス対策担当になったマイク・ペンス副大統領は、株式市場は「また戻る」し、「この国の経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)は強い」と強調した。

(英語記事 Asian stocks rise as central banks pledge support