2020年03月03日 11:24 公開

ニューヨーク株式市場は2日、5%上昇し、過去最大の上げ幅となった。各国中央銀行による協調緩和への期待が高まり、2008年の金融危機以来となった先週の急落から反発した。

3日の東京株式市場は買い先行で取引が始まり、寄り付きの日経平均は前日比307円高と続伸した。

主要企業でつくるダウ工業株平均は8営業日ぶりに急反発し、前週末比1293.96ドル(5.09%)高い2万6703.32ドルで取引を終えた。1日の上げ幅は、リーマン・ショック後の2018年12月26日での1086ドル高を抜き、過去最大となった。

ニューヨークではS&P500種も4.6%高、ハイテク株が多いナスダック総合指数も4.5%高で取引を終えた。特にアップルやウォルマートなどが大きく値を戻した。

ロンドン市場のFTSE100種指数は1.2%高だった。

新型コロナウイルスの感染拡大による渡航制限や、中国工場の稼動停止に伴う製造業への影響、消費者心理の冷え込みなど、世界経済への影響が懸念されるなか、2月末までの株価続落で各国市場では5兆ドル以上の資産が失われた。

これを受けて2日には、日本銀行が「「適切な金融市場調節や資産買い入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく方針」だという異例の総裁談話を発表するなど、各国の中央銀行が市場の不安感をやわらげるため発言を重ねた。緊密な連携を強調する一連の中央銀行発言を受けて、市場には買い戻しの動きが広がった。

「金融と通貨の安定を」

イングランド銀行(中央銀行)の報道官は2日、「金融と通貨の安定を守るために必要な全ての措置が確実に講じられるよう、財務省や金融行為監督機構(FCA)、および国際的な提携先と、緊密に連携している」とコメントした。

欧州中央銀行(ECB)は同日、新型コロナウイルスの感染拡大について、「事態の推移を注視し、経済や中期的インフレおよび通貨政策の実行への影響に注目している」とする、クリスティーヌ・ラガルド総裁の談話を発表。「潜在的リスクに相応な、適切かつ対象を特定した手段を必要に応じて講じる用意がある」と述べた。

2月28日にはアメリカの中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が緊急声明を発表し、「アメリカ経済の基礎的な条件は強いままだが、新型コロナウイルスが経済活動のリスクになる」、「景気を下支えするためにFRBは適切に行動する」と述べて、追加の利下げの可能性を示唆していた。

OECDは懸念

各国中央銀行の発言の一方で、経済協力開発機構(OECD)は2日、2020年の世界の実質経済成長率が2.4%になるとの予測を発表。昨年11月の前回予想から0.5ポイント下方修正した。ただし、新型ウイルスの感染が収束せず、見込みより深刻なアウトブレイク(大流行)になった場合は、2020年の成長率は1.5%まで下がり、当初予測から半減する恐れもあるという。

リーマン・ショック後でマイナス成長となった09年以来、11年ぶりの低成長となる。

中国が3月末までに感染拡大のピークを越え、その他の国での感染も限定的になるとの前提で試算した。ただ感染収束の前提が崩れて患者数が増えた場合、20年の成長率は1.5%まで下がる恐れもある。

(英語記事 Markets rebound after last week's dive