2020年03月04日 14:31 公開

世界銀行は3日、新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けている途上国に対し、総額120億ドル(約1.3兆円)を支援すると発表した。

この緊急支援には、低利融資や補助金、技術支援などが含まれる。

対象国が今回の感染危機への対応力を向上させるとともに、経済への影響を抑えるため民間と連携するのを支援するのが目的。貧困国とリスクが高い国を優先的に支援するという。

世銀のデイヴィッド・マルパス総裁はBBCに、「我々がしようとしているのは、病気の感染を限定することだ」と述べた。

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当局者によると、120億ドルの半分は、世銀グループの一員で民間と連携している国際金融公社(IFC)が拠出する。約40億ドルは、現存の基金から振り向ける。

新型ウイルスの感染拡大をめぐっては、アウトブレイク(大流行)の経済への影響を防ごうと、各国指導者が対策に力を入れている。

今回の緊急支援が発表される前には、アウトブレイクによる経済活動の減速が景気後退を招きかねないとの警告が発せられていた。

「スピードが必要」

新型ウイルスでは、世界で9万2000人以上の感染者が出ており、うち8万人以上は中国で確認されている。死者は全世界で3000人を突破。大多数は中国で死亡している。

マルパス総裁は会見で、「迅速さが重要だ。人命を救うにはスピードが必要だ」と発言。「より多くの資源が必要となり得る状況も考えられる。必要に応じて対応と資源を調整していく」と述べた。

米株式市場のダウ工業株30種平均は3日、800ポイント近く下げ、前日の大幅な上昇から一転した。米連邦準備理事会(FRB)は、新型ウイルスの感染拡大で懸念が高まるなか、異例の政策金利0.5%の緊急引き下げを発表したが、市場の不安感を抑えることはできなかった。

0.5%の利下げは、10年以上前の世界経済危機以来、最大の下げ幅。


その他の動向

  • 主要7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁は3日、新型ウイルスへの対応と世界経済の安定のため、財政・金融政策などの「行動を取る準備がある」と発表した
  • 米ツイッターは社員に在宅勤務を指示した
  • 米グーグルは毎年恒例の開発者会議を中止した
  • イランは過密状態の刑務所における新型ウイルスの感染拡大対策として、受刑者5万4000人を一時的に釈放した。同国では2週間足らずで77人の死亡が報告されている。感染者は2336人だが、実際にはこれを大きく上回るとみられている
  • イタリアでは過去1日で死者が50%増え、計79人に上った。ほとんどは北部ロンバルディア州で確認されている
  • アメリカ国内の死者は9人に増えた。全員ワシントン州の住民
  • スペインでは2月13日に死亡した69歳男性について、解剖の結果、新型ウイルス(SARS-CoV-2)への感染が確認されたと地元メディアが報じた。同国での死者は初めて

世界保健機関(WHO)は新型ウイルスについて、60歳以上や既往症のある人に特に影響が多きいとみられるとしている。

中国で感染者4万4000人以上を対象にした最初の大規模な調査分析では、80代以上の高齢者の死亡率は中年世代より10倍以上高いとの結果が出た。

専門家は、新型ウイルスによる感染症(COVID-19)は、季節的なインフルエンザほど感染力は強くなく、症状の出ていない人から感染することは一般的にはないとしている。

(英語記事 Coronavirus: World Bank pledges $12bn aid package