2020年03月06日 12:39 公開

米大統領選の民主党候補者選びの山場となる「スーパー・チューズデー」での不本意な結果を受け、エリザベス・ウォーレン上院議員(70、マサチューセッツ州選出)が5日、指名争いから撤退した。候補者選びはジョー・バイデン前副大統領(77)とバーニー・サンダース上院議員(78、ヴァーモント州選出)の一騎打ちの構図となる。

左派リベラルの間で人気のウォーレン氏は一時、民主党の最有力候補に躍り出たものの、「スーパー・チューズデー」では、地元マサチューセッツ州でも勝利できなかった。

ウォーレン氏は5日、「今回最もつらいのは、(女性大統領の誕生を)また4年待たなければならないすべての少女のことだ」と述べた。

どのように撤退を決断したのか問われると、ウォーレン氏は、自分の選挙キャンペーンの根底にあった、数百万人ものアメリカ人を苦しめている学生ローンや医療、育児における莫大なコストについて言及した。

「私は、こうした問題と戦い続けるために、自分にとって最高の場所はどこなのかを考えなければならなかった。(中略)私の仕事は、戦い続けること、そしてできる限り巧みに、効果的に戦うことだ」

ウォーレン氏は、どの候補者を支持するのかを決めるには時間が必要だとしている。

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選挙キャンペーン序盤には勢いがあったものの、ウォーレン氏は2020年最初の予備選で、その熱狂を得票へと転換することはできなかった。結果的に、勝利を収められた州は1つもなかった。

1日に選挙戦からの撤退を表明したピート・ブタジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長(38)ブルームバーグ前ニューヨーク市長(78)、エイミー・クロブシャー上院議員(59)に続く撤退表明となった。

バイデン氏とサンダース氏の一騎打ちに

過去最多の女性候補が揃って始まった民主党の候補者選びは、いまや事実上、最有力候補の男性2人に絞られている。その2人はともに、ウォーレン氏と同氏の選挙キャンペーンを称賛した。

ウォーレン氏が撤退することで、とりわけ、候補者争いに残っている唯一の革新的な政治家のサンダース氏にとっては、道が切り開かれるかもしれない。

ウォーレン氏とは

ハーヴァード大学ロースクールの元教授のウォーレン氏は2008年の金融崩壊後、金融セクターの規制強化を強く求め、10年以上前に政界に飛び込んだ。

ウォーレン氏は2010年、当時のバラク・オバマ政権によるウォール街の監視機関、消費者金融保護局(CFPB)の設立に尽力した。

それから2年後、マサチューセッツ州の上院議員に当選した。

2016年の大統領選挙の民主党候補になる可能性が浮上したものの、国のトップの仕事には興味がないとして否定した。

今回は、大統領選への出馬をいち早く表明した民主党の主要候補となった。

序盤の勢い維持できず

選挙戦序盤、「私にはそのための計画がある」というお気に入りのスローガンを繰り返す、自分のポリシーを中心とした働きかけは効果があるようにみえた。昨年10月には、ほとんどの世論調査で首位に立っていた。

ところが昨年12月までに、ウォーレン氏の支持率は押し戻された。「Medicare for All(万人のための医療保険制度)」などの主要な政策公約をめぐり、対抗馬に打ち負かされた、難しい討論会が影響した。

序盤に予備選が行われたアイオワ州、ニューハンプシャー州、ネヴァダ州では、巨額の投資にも関わらず、ウォーレン氏はいずれの州でもトップ2に入れなかった。さらに、「スーパー・チューズデー」では地元マサチューセッツ州で3位に終わった。

つまり、7月の党大会で自分を候補に指名してくれる代議員を、65人しか獲得できなかった。トランプ氏に挑むには、党大会の時点で少なくとも1991人を獲得しておく必要がある。

バイデン氏は現時点で代議員584人を獲得しトップに、同509人を獲得したサンダースがその後に続く。

対抗馬の反応

ウォーレン氏が撤退を表明して間もなく、バイデン氏とサンダース氏の選挙陣営はそれぞれ、ウォーレン氏を称賛するツイートを投稿した。

サンダース氏側は、「ウォーレン氏がいなければ、革新的運動は今日ほど強くはなかっただろう。(中略)私は、ウォーレン氏がこの戦いにとどまるだろうと確信しているし、彼女がそうすることを我々は感謝している」と述べた。

バイデン氏側は、ウォーレン氏は「中流階級家庭にとって最もどう猛な戦士」だとした上で、「我々はこの候補者争いにおいて、ウォーレン氏の意見が必要だ。そして彼女には、上院で働き続けてもらいたいと思っている」と述べた。

ウォーレン氏の撤退で、タルシ・ギャバード下院議員(ハワイ州選出)が党候補者選びに残った唯一の女性候補となった。ギャバード氏の獲得票数は1%ほどだ。

(英語記事 Elizabeth Warren ends presidential bid