2020年03月09日 10:44 公開

ジャスティン・ハーパー、ビジネス担当記者

新型コロナウイルスの感染拡大による航空需要の減少が、航空業界に深刻な打撃を及ぼしている。ヨーロッパ最大級の地域航空会社の英フライビーは5日、破産を申請。こうした航空会社の経営破綻は今後も続くと、アナリストは予測している。

国際航空運送協会(IATA)は5日、新型ウイルスによる今年のマイナス影響は、最大1130億ドル(約12兆円)に達するとの見通しを発表した。

IATAは先月、今年の航空業界が受ける世界的な損失は290億ドルと予測していた。この見通しを今回、630億~1130億ドルに下方修正した。

航空会社には旅客からの予約キャンセルが相次いでいることから、航空業界の専門家は、経営難に陥る企業はさらに出るだろうとみている。


倒産したフライビーは1979年創業。英エクセター空港を拠点に、イギリスと欧州各国を結ぶ便を運航してきた。

英証券会社レッドバーンの運輸アナリスト、ジェイムズ・グドール氏はフライビーの倒産について、「2020年に起こる数多くの(経営破綻の)最初となるだろう」と述べた。

また、「(新型ウイルスの感染症の)COVID-19によって起きた需要の激減が(フライビーの)終わりを早めた。今後数カ月の内にさらに航空会社の破産があるだろう」と予測した。

一方で、スコットランドのローガンエア航空が、フライビーが運航していた中で16路線を引き継ぐ方針を示している。

アジアの航空会社が特に深刻

航空会社を分析する「エアライン・アナリスト」のマイケル・ダフ社長は、「この(IATAの)シナリオでは、航空業界に多数の犠牲が生まれるだろう」と述べた。

ほかにも中国、香港、タイ、韓国、ノルウェー、メキシコに本拠地を置くいくつかの航空会社が、同社の財務強度指数でかなり低い位置にあるとした。

「航空業界にとって今は非常に難しい時期で、キャッシュを確保できているかどうかが大事だ」と話すのは、雑誌「フライトグローバル」のアジア編集長グレッグ・ウォルドロン氏だ。「キャッシュに余裕がない航空会社は非常に厳しい時期を迎えるだろう。価格戦争に巻き込まれた会社は特にそうだ」。

アジアの地域航空会社は、新型ウイルスの発生源となった中国の旅客に大きく依存しているだけに、特にぜい弱だとアナリストらは指摘する。ダフ氏は「そうした会社は、航空機の大型注文も納入待ちの状態だ。そのためエアバスやボーイングには、納入を遅らせ、頭金を返金するよう圧力がかかるのではないか」と話した。

欠航が相次ぐ状況で多くの航空会社は、従業員に無給の休暇取得や賃金カットを要請するなど、コスト削減に取り組んでいる。


エミレーツ航空(本社・アラブ首長国連邦)は最長1カ月、キャセイパシフィック航空(同香港)は3週間、それぞれ無給休暇の取得を従業員に呼びかけている。

シンガポール航空は職員の採用を凍結。重役の報酬を10~15%カットする。

航空需要の落ち込みは、休暇を楽しむ旅行者が減っているだけでなく、企業が出張旅行の制限や会合の延期をしていることも原因になっている。

(英語記事 Flybe's collapse could be 'first of many' airlines