こうして、1960~90年代に大都市周辺の旧海域、旧河道、後背湿地など、かつてはダムの役割を果たしていた地域に宅地化が著しく進行したのである。これが、地震、台風、集中豪雨などで被害を受けるリスクを大きくしてきた。

 しかも、現在、自治体などでリーダーシップをとる人々は、「災害の空白期」に生まれ育った人たちであり、災害の実体験が極めて乏しい。このことが、「役に立たないハザードマップ」、「避難できない・避難したら危険な避難場所」などの存在を許容している。

 2020年東京オリンピック、2025年大阪万博などは、1964年東京オリンピック、1970年大阪万博が開催されたことと無関係ではない。64年や70年に首都高速道路や地下鉄など多くの都市のインフラが整備された。

 しかし、鉄筋コンクリートを使用した施設は意外に耐久年数が短く50年ほどしかない。潮風にさらされるような場所では、さらにそれは短くなる。したがって、2020年東京オリンピックや2025年大阪万博はイベントとしてはともかく、都市インフラの再整備はやらざるを得ないのである。

 さて、地震という観点で見るならば、アメリカ地質調査所(USGS)、気象庁、防災科学研究所(Hi-net)などが提供する複数のデータを参照する必要がある。USGSが提供する地震データで世界中の傾向をつかむ必要がある。マグニチュード(M)4以上の地震を地球レベルで知ることができる。

 たとえば、2016年の熊本地震の際、太平洋の西岸で大きな地震が起きていたことが分かる(図参照)。要するに地震には国境は存在しない。

 また、Hi-netの「震央分布図」を見ると、日本列島で1カ月に1・5万~3万回ほどの地震が起きていることが分かる。しかもそれからは、震源の分布域や深さにきれいな傾向が読み取れる。

 たとえば、北方領土から東北日本では太平洋プレートが北米プレートにもぐり込み地震を起こしている。また、福井県敦賀沖から伊勢湾沖に向かい、500キロ以深を震源とする地震が日本列島を横断している。これは太平洋プレートの先端である。これより深いところではプレートは熱で融解してしまうため地震を発生させない。

 さらに、琉球トラフに沿ってフィリピン海プレートがユーラシアプレートにもぐり込む様子が分かる。その東北部分は日向灘からは豊後水道を経て広島へと至る。そして、北米プレートやユーラシアプレートでは震源が10キロ程度の深さの地震で陸地のほとんどが埋め尽くされている。