そして、この後、千葉県、茨城県、福島県で地震が頻発した。あまりの地震の多さにマスコミもこれらの地震に注目した。地域的には比較的近接したところで発生していたが、震源などを見ると、異なったタイプの地震が3種類以上混じっていたことが分かっている。

 ①茨城県南部や西部の地震は震源の深さが40~50キロであり、フィリピン海プレートが関係していた。これに対し、②茨城県北部の地震は震源の深さが約10キロであり、太平洋プレートによって圧縮された北米プレートで発生した地震であった。

 また、③福島県南部の地震は震源の深さが40~50キロ、太平洋プレートが北米プレートにもぐり込んだところで発生していた。さらに、千葉県では①と③とが混在していたのである。これらのことから関東地方以北の地震にフィリピン海プレートの動きが関与していることが分かってきた。

 フィリピン海プレートが関与する地震は、「南海トラフ」に限定されるものではなく、伊豆半島の東の相模トラフにも関係する。過去に相模トラフで発生した地震として1923年の大正関東地震(関東大震災)がある。

 この地震に関しては、東京下町を中心に発生した火災の被災者が多く、東京の地震というイメージが強い。しかし、地震としては横浜や房総半島南部で揺れが大きかった。伊豆半島以西と相模トラフの地震が連動すると、首都圏以西の地域で大災害になる。

 直接的な地震や津波の被害はもとより、ここで重要な問題は物流が停滞することである。極論すると、日本は、今、自動車を海外に売ったお金で、食料を輸入している。食料自給率が40%を切るようところは先進国には存在しない。言い換えれば、巨大地震は食料危機をまねくのである。
重機によってがれきの中から掘り起こされた道=2011年3月16日、宮城県気仙沼市(古厩正樹撮影)
重機によってがれきの中から掘り起こされた道=2011年3月16日、宮城県気仙沼市(古厩正樹撮影)
 フィリピン海プレートは「南海トラフ」だけではなく、琉球トラフ、台湾、フィリピン海トラフに近いフィリピンやインドネシアでも地震を発生させる。しかも、すでに2018年末以降、フィリピンやインドネシアではM7以上の地震が発生し、火山の巨大噴火も起きているのである。

 日本の国内だけを見ていては、地震は見えてこない。また、地震と火山噴火とにはメカニズムの上でも密接な関係があり、別々に考えるべきではない。さらに、地震、火山噴火、台風などが災害になるには、人間の営みが密接に関与している。

 21世紀になった頃から、災害が頻発しているのは、「自然の揺らぎ」、経済の高度成長期における不適切な土地開発、災害を知らないリーダーたちの無知が関与している。