2020年03月10日 10:32 公開

世界各地の市場で9日、株価が全面安となった。新型コロナウイルス懸念ですでに動揺していた株式市場は、原油価格の急落に反応した。「ブラック・マンデー」の呼び名も飛び交っている。

東京株式市場では10日午前、日経平均株価は一時、1万9000円を下回り、2018年12月以来の水準まで大幅続落して始まった。その後は一時1万9500円台まで回復。午後には、ドナルド・トランプ米大統領が新型コロナウイルス対策として、給与減税などの経済対策を検討していると発言したことなどが好感され、終値は前日比168円36銭(0.85%)高の1万9867円12銭。3営業日ぶりの反発で引けた。

原油生産をめぐりサウジアラビアとロシアが決裂したことに反応し、原油価格が急落すると、9日の米主要金融指標は7%以上下がり、ロンドンは8%近く落ちた。ニューヨーク市場では取引開始の数分後、S&P500種株価指数が7%下落する基準に達したため、売買を15分間停止するいわゆる「サーキットブレーカー」が自動的に発動された。

主要企業からなるダウ工業株平均の終値は前週末比2013.76ドル(7.79%)安い2万3851.02ドル。1日の下げ幅は、これまで最大だった今年2月27日(1190ドル)を抜いて過去最大となり、下落率は2008年の世界金融危機以来となった。

S&P500は7.6%、ハイテク株が多いナスダック総合指数も7.3%下がった。

ロンドンではFTSE100種が前週末比7.69%急落。イギリスの主要企業の時価総額が約1250億ポンド(約16兆8700億円)が失われた。


同じように、フランス、ドイツ、スペインなど欧州各地の市場でも、株価が7%以上急落して取引を終えた。

「市場では今、パニックが始まりつつある」と米マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院のアンドリュー・ロー教授(金融学)は指摘。「事態がよくなる前に、いったんさらに悪くなる」と見通しを示した。

原油暴落

株価の劇的な急落のきっかけになったのは、原油だった。

新型コロナウイルス拡大に伴う原油需要減への対応として、石油輸出国機構(OPEC)が減産を提案したものの、ロシアがこれを拒否。するとサウジアラビアが増産に転じて、価格を大幅に引き下げる姿勢を見せた。産油国間の「価格戦争」の懸念が高まった。

サウジアラビアのこの対応は、主要産油国としての地位と影響力を守るための勢力誇示だったとアナリストたちは見ている。

原油価格の指標となる北海ブレント原油先物は3割近く下落。1日の下落率としては1991年の湾岸戦争時以来。

これに先立ち原油価格はすでに新型コロナウイルスへの懸念から需要減の影響を受けていただけに、サウジアラビアによる増産判断は「きわめて意外だ」と、米株式調査大手CFRAリサーチのエネルギー資産アナリスト、スチュワート・グリックマン氏は言う。

「原油市場にショックが走るのは初めてではないが、覚えている限り、供給ショックと需要ショックが同時に起きるのは初めてだ」


米英株式市場では、シェル、BP、シェヴロンなど石油大手が15%前後の値下がり。プレミア・オイルは50%以上下げた。

フランクフルトとパリの市場では、特に銀行株が大きく下げた。為替市場ではロシアのルーブルが8%下げ、2016年以来のルーブル安となった。

他方で、他の金融資産が不安定な時の「安全資産」とされる金は一時、7年来の高値に達し、オンス1700ドルで取引された。

私への影響は?

多くの人は自分が株式など金融商品に投資していなければ、株価などの下落は自分に直接関係がないと反応しがちだ。

しかし、公的年金や企業年金の多くは金融市場で運用されており、受取額は金融市場の状態に左右される。

ただし、ほとんどの投資と同様に年金貯蓄も、通常は長期投資なのだと覚えておくのが大事だ。

(英語記事 Global shares plunge in worst day since financial crisis