2020年03月12日 11:59 公開

米株式市場は11日、急落した。新型コロナウイルスの大流行を世界保健機関(WHO)がパンデミック(世界的流行)と宣言したのを受け、値下がりが加速した。

ダウ工業株平均は1500ドル近く安くなり、下げ幅は5.8%だった。S&P総合500種は4.9%、ハイテク株中心のナスダック総合指数は4.7%下げた。

ダウ平均の下落率は最近の最高値と比べると20%を超えた。これは景気後退の基準とされることが多い。

新型ウイルスの感染拡大は世界経済に影響を及ぼし続け、市場の下落を招いている。

英は大型景気刺激策

このウイルスによる病気への懸念から、製造業では生産が中断され、閉鎖やキャンセルが相次ぎ、働き手を自宅にとどまらせている。

リシ・スーナク英財務相は11日、300億ポンド(約4兆円)規模の景気刺激策を発表した。英中央銀行のイングランド銀行は政策金利の引き下げを緊急決定した。

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一方、アメリカではドナルド・トランプ大統領の減税案が支持を広げられず、政府と議会が緊急経済対策で合意できていない。

スティーヴン・ムニューシン米財務長官は11日、政府が納税期限を延長や、自宅待機を命じられた従業員の傷病手当の補てん、航空会社など影響を受けた業種への借入保証をする意向だと述べた。

ムニューシン氏は、「我々は健康問題だけでなく経済問題にも集中している」と述べた。

欧州は景気後退の予測も

米ニューヨーク連邦準備銀行も、銀行への短期資金の貸付を拡充することで、金融市場に資金を供給すると発表した。こうした動きは今週2度目となる。

米中央銀行に当たる米連邦準備理事会(FRB)は先週、金融危機以降で初めて政策金利を引き下げた。

これは、新型ウイルスの感染拡大により、今年の世界的な経済成長への期待が急速に弱まったことを受けての措置だった。

英金融情報会社HISマークイットは11日、世界の経済成長率について、前月予測の2.5%から1.7%に下がる見通しだと述べた。

また、新型ウイルスの流行により、すでに低成長になっている欧州は景気後退に入り、アメリカの成長率も1.8%に縮まるとみられると予測。「COVID-19(新型ウイルスの感染症)の世界的流行が、2020年初期の世界経済が直面している唯一最大のリスクだ」とした。

11日には、 ロンドン証券取引所の株価指数FTSE100が1.4%下落。その他の欧州指標は小幅の減少だった。こうした減少は、数週間続く市場の混乱を受けたもの。

ダウ平均の20%の下落は下げ相場を招き、2009年から続いていた上げ相場が終わった。最大の下げ幅となったのは、米航空機大手ボーイングの18%だった。

ムーディーズ・アナリティックスのシニアエコノミスト、カトリナ・エル氏は、「ウイルスそのものでなく、それに関する恐れやパニックと、関連して変化した経済行動がマイナス転換のきっかけとなり、世界経済をより暗い道へと追いやっている」と話した。

(英語記事 Stock markets plunge as virus becomes a pandemic