2020年03月15日 12:04 公開

新型コロナウイルス感染拡大の「震央」となった欧州で、主要国のスペインとフランスが14日、イタリアに続いて緊急規制を実施すると発表した。

スペインではペドロ・サンチェス首相が14日、非常事態を宣言。日常不可欠な物資と薬品の買い物、仕事が目的の場合を除いて、市民が自宅から外出するのを禁止した。

美術館や博物館、文化施設、スポーツ施設も閉鎖される。レストランとカフェは、デリバリーでの営業のみ認められる可能性がある。

生活に重要な銀行やガソリンスタンドなどは営業を続ける。学校はすでに全国で休校となっている。


首相の妻も感染

サンチェス首相は14日、国内全ての地域がイデオロギーの違いを横に置いて市民を最優先し、団結することを求めた。

サンチェス氏は、「労働者、自営業者、事業所に伝えたい。スペイン政府はこの危機の影響を和らげるよう、できる限りのことを全てする」と述べた。

非常事態は2週間継続される予定。延長が必要と判断されて、議会がそれを承認した場合はさらに続く。スペインが1975年の民主化以降で非常事態を宣言したのは、2010年に起きた航空管制官のスト以来2度目。


同国政府は14日夜、サンチェス首相の妻ベゴニャ・ゴメスさんの新型ウイルス感染が判明したと発表した。

首相夫妻はマドリードの首相公邸にとどまっており、体調は良好だという。

同国では新型ウイルスによる死者が191人に上り、欧州ではイタリアに次いで多い。13日夜以降、新たに確認された感染者は約1800人に上っている。多くは首都マドリードで確認されている。


フランスも商店を閉鎖

フランスでは、カフェやレストラン、映画館、ナイトクラブに加え、多くの商店が15日から閉鎖される。

エドゥアール・フィリップ首相は、食料品店や薬局、銀行、たばこ店、ガソリンスタンドなど生活に重要な商店は営業を続けるとした。

フィリップ氏はまた、「感染拡大を遅らせる最善の方法は、人々が一定の距離を保つことだ」と述べ、特に街をまたぐ旅行を控えるよう呼びかけた。

さらに、「これは大事なことだ。私たちは今まで以上に厳密に、対策を実施しなくてはならない」と述べた。


フィリップ氏によると、15日に予定されていた地方選挙は実施される。宗教施設は引き続き開館となるが、集会や礼拝などは延期されるという。

学校は16日以降、通知があるまで休校となる。

フランスでは14日に新型ウイルスの感染者が3661人から4499人に急増。保健当局によると、死者は91人になった。

フィリップ氏は、集中治療を受けている患者は増加しており、政府が発表した国民向けのガイドラインが無視されていると述べた。

イスラエルも一部閉鎖へ

死者が1440人を超えたイタリアは、9日から全国で移動制限を実施している。

世界保健機関(WHO)は13日、欧州が新型ウイルス感染拡大の「震央」になっていると述べた。

テドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は人命を守るためとして、各国の積極的な対策と地域での協調、住民が社会生活で互いに一定の距離を置く「社会距離戦略」と呼ばれる対策の実施を強く求めた。

そのほか、新型ウイルスをめぐって以下の動きがみられる――。

  • 米政府によると、ドナルド・トランプ米大統領が新型ウイルスの検査を受け、陰性と判定された。トランプ氏は検査の数日前にイベントを開催し、その招待客の一部がその後、陽性と判定されていた
  • アメリカは欧州からの渡航制限の対象国にイギリスとアイルランドを追加した。グリニッジ標準時17日午前4時から実施する
  • イギリスでの死者は24時間で倍増し21人となった。200人を超える科学者が、政府により強い対策を求める文書を出した
  • イスラエルでは15日、ショッピングセンターやレストランなどの公共空間を閉鎖する、部分的な経済活動の停止が実施される
  • 今回の流行が昨年始まった中国では初めて、新たな感染者のうち、国外から入国した人の数が国内にいた人の数を上回った

予防について知る

感染症について知る

在宅勤務・隔離生活について知る

(英語記事 Spain and France impose sweeping new restrictions