2020年03月16日 14:57 公開

スペイン国王フェリペ6世(52)は16日、2014年に生前退位した父フアン・カルロス前国王(82)からの相続財産を放棄すると発表した。

スペイン王室は声明で、フアン・カルロス氏に対する19万4000万ユーロ(2300万円)の年金も中止するとしている。

フアン・カルロス氏はかねて、そのぜいたくな暮らしぶりが批判されているほか、スイスの金融当局の捜査を受けている。

先には、2008年にサウジアラビアからオフショア口座を通じて1億ドル(約107億円)を受け取ったと報じられた。フアン・カルロス氏はこれについてコメントしていない。

今回の財産放棄について一部の王室アナリストは、フェリペ6世が父親のスキャンダルから距離を置こうとしているとみている。

現代スペインで重要な役割

スペインでは1930年代にブルボン王朝が倒れて共和政が始まった。しかし直後のスペイン内戦で共和政も倒れ、その後はフランシスコ・フランコ将軍が36年間、独裁体制を敷いていた。

フアン・カルロス氏はフランコ将軍の後継者として育てられ、1975年のフランコ将軍の死後、44年ぶりの国王として王位についた。

しかし即位後、フアン・カルロス氏は専制支配を維持しようとするフランコ将軍の支持者を無視し、立憲君主制への移行をはかった。

在位中も徐々に政治的な活動を抑え、象徴的な立場へと変わって言った。

また、カタルーニャやバスクといった独立を求めている地域を安定させたほか、1981年には軍部が計画したクーデターを抑え込んだとして評価されている。

退位の数年前までその人気は高かったものの、2012年にボツワナで行ったゾウの狩猟に対する批判や、娘のクリスティーナ王女と夫による汚職疑惑などを受け、退位を求める声が高まった。

(英語記事 Spain's King Felipe renounces father's inheritance