田中秀臣(上武大学ビジネス情報学部教授)

 朝日新聞の関係者たちによる発言や記事のひどさが目立つ。特に3月13日、朝日新聞の小滝ちひろ編集委員が、ツイッターの個人アカウントで「(略)戦争でもないのに超大国の大統領が恐れ慄(おのの)く。新型コロナはある意味で、痛快な存在かもしれない」と投稿した問題は最たるものといえる。

 小滝氏は朝日のソーシャルメディア記者として、ツイッターから発信を続けていた。朝日のガイドラインによれば、「ソーシャルメディア記者は、ソーシャルメディア上の『朝日新聞社の顔』」である。

 朝日新聞の顔である人物が非倫理的な発言をしたのは、どう考えても不謹慎というより、まずいと言わざるを得ない。しかも、社会的な批判を浴びて、説明や謝罪もなく、発言もろともアカウントを削除して「逃亡」した。

 会員制交流サイト(SNS)ではよくある話だが、さすがに「朝日新聞の顔」がこんな対応では困る。朝日新聞社は一連の事態を謝罪し、小滝氏のソーシャルメディア記者の資格を取り消した。

 新聞社に属する記者たちがSNS上で発言することは、一般的には好ましく捉えられるだろう。多様な発言そのものに価値があると考えられるからだ。

 また新聞社の「顔」なのだから、どのような問題にどのような責任をもって発言しているのかも理解している。朝日新聞のSNS「公認記者」(ソーシャルメディア記者と同じだと思われる)がどれくらい存在するかは、朝日新聞デジタルの「記者ページの紹介」を見ていただきたい。
※写真はイメージです(ゲッティイメージズ)
※写真はイメージです(ゲッティイメージズ)
 今、このソーシャルメディア記者の一人、藤(とう)えりか氏のアカウントに「個人攻撃」が加えられている。政治学者の三浦瑠麗氏がその攻撃を「適切に批判することと他人を含め攻撃することは全く別物」だと批判していた。