しかし芸能人であるがゆえに、事務所が反対していて自由に結婚できない状況だったり、不倫が容易にバレてしまうくらい顔が割れていたり、バッシングを喰(く)らうことが確実な関係性においては、そうはいかない。恋愛関係における当たり前の行為が阻害されるのだ。

 その状態が長く続けば続くほど、人は心理的孤立を深め、解決されない葛藤やモヤモヤを自分だけで抱えているような気持ちになり、情緒が不安定になり、最終的には妄想や空想の世界で自分を満たそうとする。現実が思い通りに行かずとも、内面にこもり、自分の中だけでも明るい未来を思い描き、味わおうとするのだ。

 そして中には、その空想や妄想を現実のものとせずにはいられない、パラノイア(偏執狂)ともいうべき状態につながっていく人もいる。もちろん、その状態が行き過ぎると、妄想を伴ういわゆる精神疾患に至る場合もあり、場面問わず実際には有りもしないことを語ったりするため、医学的治療や心理カウンセリングが必要になることもある。

 しかし多くは、一定の健康な自我が保たれているので、そこまで極端な行動を取ることはない。しかし妄想を現実化したい欲求は蓄積していくので、「自分の中ではスッキリするけど、周りにはバレないギリギリのライン」を突こうとする。その一例が、SNSを使った匂わせである。

 ただし、「ギリギリのライン」と考えているのは実は本人だけだ。周りから客観的に見ると、「何でこんなことするかね」と反感を買うような行為であることがほとんどである。

 にもかかわらず、行為主体である本人は、もはや通常の精神状態ではない自分をも自覚できなくなっているので、さらにエスカレートした行動に走ったり、その結果ネット炎上の対象になったりするのである。
新聞のラ・テ欄でも見られる「縦読み」行為だが、SNSの場合は「匂わせ」とともにネットユーザーから追及を受けることも多い
新聞のラ・テ欄でも見られる「縦読み」行為だが、SNSの場合は「匂わせ」とともにネットユーザーから追及を受けることも多い
 私が過去心理カウンセリングしていた、ある有名人とお付き合いしていた方が、ある日SNSで以下のような投稿をした(本人に許可を取った上、プライバシーに配慮して意図が変わらない範囲で改変している)。

本文:ううう、、、たけくんのことだいすきずっといっしゅうょでいにゅたいいっぎゅぱいっちたい・・・・・・・・・・・・あたし、アレルギーなんで特別に牛乳抜きのフレンチトースト作ってもらいましたー!!おいしかった!!
写真:フレンチトーストを食べる自分を自撮りした写真


 この投稿は後に、ファンの中で噂されていた交際の事実をより疑われるきっかけとなり、リプライ(返信)には罵詈(ばり)雑言を含んだ批判のコメントが殺到、炎上し、その後アカウント自体の閉鎖に追い込まれた。