2020年03月18日 11:04 公開

米大統領選の候補を選ぶ野党・民主党の予備選が17日、3州であり、米メディアによるとジョー・バイデン前副大統領が全3州で勝つ見通しとなった。

米メディアの予測では、バイデン氏がバーニー・サンダース上院議員(ヴァーモント州選出)にフロリダ州とイリノイ州で得票率60%以上で勝つ見通し。

AP通信によると、フロリダ州ではほとんどの選挙区で開票が終わり、バイデン氏の得票率は61%、サンダース氏は23%という。イリノイ州でも開票がほとんど終わり、バイデン氏は59%、サンダース氏は36%という。

西部アリゾナ州でも、バイデン氏がサンダース氏に10ポイント以上リードしている様子。白人票の51%をバイデン氏が獲得し、サンダース氏は32%という。ヒスパニック系の票は、バイデン氏45%、サンダース氏44%と拮抗しているもよう。

今年7月に予定される民主党全国党大会で、党の候補として指名を獲得するには、各州の民主党支持者が選ぶ代議員を1991人獲得する必要がある。

すでに予備選や党員集会が開かれた21州のうち、バイデン氏は16州で勝利した。

各州の人口に応じて割り当てられた代議員は、得票率によって候補に与えられる。複数の米メディアによると、バイデン氏はこれまでに1000人以上、サンダース氏は約800人の「誓約代議員(州の予備選の結果に沿って党大会で投票すると誓約した代議員)」を得ているとされる。

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大事なのは……本選で勝てるか

世論調査によると、人口が多く代議員219人を擁するフロリダ州ではほとんどの民主党支持者が、11月の本選で勝てるかどうかが候補選びにおいて重要だと回答。バイデン氏の方がトランプ氏に勝てると答えた人は約75%、サンダース氏の方ががトランプ氏に勝てると答えた人は約10%に留まった。また半数以上が、サンダース氏の姿勢はリベラルすぎると答えた。

また高齢者の多くは、、バイデン氏を支持した。フロリダ州はその温暖な気候から、多くの年金生活者が暮らしている。

フロリダ州は大票田で、大統領選の本選の行方にも大きく影響する。2016年大統領選ではトランプ氏が、ヒラリー・クリントン氏に1.2ポイント差で勝っている。

両候補の反応は

新型コロナウイルスへの対策として米政府が10人超の集会を控えるよう呼びかけるなか、バイデン氏は地元デラウェア州ウイルミントンから演説をインターネットで中継し、「こういう時こそ私たちは政治をわきに置いて、アメリカ人として協力しなくてはなりません」と述べた。

「コロナウイルスは、あなたが民主党だろうが共和党だろうがお構いなしだ。どの国の出身でも、人種でも性別でも郵便番号でも、区別しない。権力者だろうと、社会で特に弱い立場にいる人だろうと、ウイルスの影響を受ける。こういう時こそ私たちは、お互いの最も良い部分に注目して、周りの人たちのことを気にかけて、本当に大勢が感じている恐怖やストレスを互いに理解しましょう」

さらにバイデン氏は、「医師や看護師、薬剤師、食料品店のレジ係、商品棚を補充してくれる人たちに感謝しましょう」と求め、「この危機の最前線にいる皆さん、医師、看護師、医療スタッフ、ウイルスの被害者と家族の世話をしている皆さんのため、特別に祈っています」と述べた。また、アメリカ人はこれまでも危機の時には立ち上がり、いつも以上にがんばることで乗り越えてきたと強調した。

サンダース氏は首都ワシントンからオンラインで支持者に向けて発言したが、予備選には言及せず、今後の対応についても特に示唆しなかった。

その代わりサンダース氏は、新型コロナウイルスの危機について、医療制度の拡充や労働者の給与確保、中小企業保護、全世帯への現金支給など、2兆ドル規模だという自分の対策案を説明した。

サンダース陣営幹部によると、17日の間はそれ以外の公式発言をする予定はないという。

トランプ氏は候補指名を確実に

党の候補を決める州ごとの予備選は、与党・共和党でも行われている。

再選を目指すトランプ氏が指名されるのは当初から確実だったが、この日はイリノイ州の予備選でトランプ氏が勝ち、指名獲得に必要な計1276人以上の代議員を確保した。これで、トランプ氏が本選で共和党候補になるのは確実になった。

共和党でトランプ氏に対抗して出馬しているのは、今ではビル・ウェルド・マサチューセッツ州元知事のみ。

共和党全国委員会のロナ・マクダニエル委員長はツイッターで、トランプ氏が「正式に共和党候補となる見通しになった」ことを祝った。

新型ウイルスの影響

この日はオハイオ州も予備選を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって中止された。

予備選を予定通り実施した3州では、投票所に除菌ジェルが置かれ、投票所のスタッフは外科手術用の手袋をして対応した。

まだ予備選を行っていない州のうち、ジョージア、ルイジアナ、メリーランド、ケンタッキーなど複数の州が開催日を延期している。

シークレットサービスの警護開始

政府高官や大統領候補を護衛するシークレット・サービスは17日、今週からバイデン氏の警護を本格的に開始すると発表した。

コードネームは副大統領時代と同じ「セルティック」。

バイデン氏は遊説先で抗議者に取り囲まれるなどしていたため、シークレット・サービスの護衛を要請していた。

今月3日のスーパー・チューズデーでは、ロサンゼルスでジル夫人と共に支援者を前に勝利演説をしていた際、複数の女性が壇上に乱入する場面もあった。

サンダース氏は、シークレット・サービスの護衛を要請していない。

(英語記事 Biden crushes Sanders in Florida and Illinois primaries