2020年03月21日 11:05 公開

新型コロナウイルスによる経済の打撃が懸念されるなか、20日の米ニューヨーク株式市場ではダウ工業株平均が前日比4.55%安と急反落し、2008年以来最悪の1週間を終えた。ドナルド・トランプ米大統領が2017年1月に就任して以降の株価の上昇幅は、帳消しになった。

20日のダウ平均は913ドル安の1万9173ドルと反落。トランプ米大統領が就任した17年1月20日の終値(1万9827ドル)を下回った。S&P500種指数は104.47ポイント(4.34%)安の2304.92、ハイテク銘柄が多いナスダック総合指数は271.06ポイント(3.79%)安の6879.52で取引を終えた。

主要3指数がどれも今週初めから少なくとも12%下がり、直近の高値から30%以上、下落した。

新型コロナウイルスの感染拡大対策として、アメリカ各地で厳しい規制や行動制限が導入されている。

ニューヨーク州は20日、銀行や薬局、食料品店など市民にとって必要不可欠な業種以外の全事業に対して、22日からの休業や従業員の自宅待機などを命じた。イリノイ州も同様の措置をとり、カリフォルニア州は約4000万人の州民に不要不急の外出を禁止した。

<関連記事>

トランプ大統領は就任以来、株価の上昇を自分の功績として強調してきた。ダウ平均は今年2月12日に2万9551ドルの史上最高値をつけ、就任時から50%も上昇していた。米紙ニューヨーク・タイムズの集計によると、トランプ氏は株価上昇について少なくとも131回はツイートしてきた。

今週の記者会見でトランプ氏は、ウイルスのパンデミック(世界第流行)が収束して規制が緩和されれば、経済は一気に回復すると述べ、長期的な経済への影響については心配していないと述べた。

飲食業界で最大700万人が失業も

しかし、目下の打撃は深刻で、アメリカでは今週だけで失業保険請求が30%急増した。全米レストラン協会の推計では、飲食業界だけで今後3カ月の間に最大700万人が職を失うおそれがあるという。

数々の渡航制限による航空業界への打撃も大きく、米デルタ航空は20日、第2四半期の喪失は100億ドル(約1兆1000万円)に達すると発表した。米ユナイテッド航空は、政府の金融支援がなければ、4月から人員削減を始める方針を示した。両社とも今週で株価が約3割下落している。

新型ウイルスの影響で劇場や映画館、競技場やレストランが次々と閉鎖する影響で、コカコーラ社は成長見通しを下方修正。それによって、株価は8%下がった。

アメリカではこれまでに1万4000人以上の感染が確認された。ニューヨーク州だけで、7000人以上が感染している。

一方で、欧州の市場では20日、政府対策への期待感が広がり、続伸して取引を終えた。

ロンドン株式市場では、FTSE100種総合株価指数が前日終値に比べ39.17ポイント(0.8%)高の5190.78で引けた。フランクフルト株式市場では、ドイツ株式指数(DAX)が前日終値比3.7%高、フランスのCAC40株価指数は5%上昇した。


予防について知る

感染症について知る

在宅勤務・隔離生活について知る

(英語記事 Coronavirus: Dow erases Trump presidency gains